【2026年最新】外国人ドライバー税金優遇の完全ガイド|企業が知るべき実務対応
- 高橋 壮
- 1月18日
- 読了時間: 6分

目次:
「外国人ドライバーを雇うと税金が安くなるらしい」「外国人は税金を払わなくていい制度がある」
——運送業界の現場で、このような噂を耳にしたことはありませんか?
深刻なドライバー不足を解決する切り札として「特定技能外国人」の採用が進む中、税金に関する誤解や不明確な情報は、企業にとって大きなリスクとなります。
結論から申し上げますと、「外国人は一律に税金が優遇されている」というのは誤解です。原則として、日本で働く外国人は日本人と同じルールで納税義務を負います。しかし、滞在期間や租税条約などの条件によって、取り扱いが異なるケースが存在するのも事実です。
本記事では、2026年時点の最新の税制情報に基づき、外国人ドライバーの税金制度の仕組み、優遇措置と誤解されがちな免税の条件、そして企業が実務で行うべき対応について、専門用語を噛み砕いて徹底解説します。
1.外国人ドライバー税金優遇の基本知識

まず、外国人労働者の税金を理解する上で最も重要なのが、「居住者」と「非居住者」の区分です。この区分によって、課税される範囲や税率が大きく異なります。
日本に住む外国人の税金制度
日本の税法では、国籍に関わらず、個人の居住実態に合わせて以下の2つに区分されます。特定技能などで来日する外国人ドライバーの多くは、入国直後から「居住者」として扱われることが一般的ですが、契約期間等により判断が分かれます。

1. 居住者(Residents)
日本国内に住所がある、または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人を指します。特定技能ビザで来日する外国人ドライバーは、通算1年以上の在留期間が見込まれるため、入国した日から「居住者」として扱われるのが一般的です。
2. 非居住者(Non-Residents)
居住者以外の個人を指します。例えば、短期のアルバイトや、1年未満の契約で来日し、契約終了後に帰国する予定の外国人などが該当します。
外国人と日本人の税金の違い
「居住者」に該当する場合、税金の計算方法は日本人と全く同じです。一方、「非居住者」の場合は計算方法が大きく異なります。企業が給与計算を行う際は、この違いを明確に理解しておく必要があります。
【図表】居住者と非居住者の所得税比較


2.外国人ドライバー税金優遇はなぜあるのか

では、なぜ「外国人は税金が優遇されている」という話が出るのでしょうか。その背景には、国同士の取り決めである「租税条約」の存在があります。
なぜ外国人は税金が優遇されるのか
厳密には「優遇」ではなく、「二重課税の防止」が目的です。外国人が母国と日本の両方で税金を課されると、税負担が過重になり、国際的な人材交流が阻害されてしまいます。
そこで日本は多くの国と「租税条約」を結び、一定の条件を満たす場合に限り、日本での課税を免除する措置をとっています。これが結果として「税金を払わなくていい=優遇」と誤解される原因の一つとなっています。
外国人税金免除はなぜ認められるのか
特に誤解を生みやすいのが「短期滞在者免税(183日ルール)」です。これは、短期間の出張などで日本に来ている外国人に対して、日本での所得税を免除する国際的なルールです。
しかし、これはあくまで「海外の企業に雇用され、一時的に日本に来ている人」を想定した制度です。日本の運送会社に直接雇用される外国人ドライバー(特定技能など)は、基本的にこの免税の対象外となります。
3.外国人ドライバー税金優遇と免除される税金

「税金が免除される」と言われる具体的なケースについて深掘りします。特に人事担当者が確認すべきは、租税条約の適用可否と住民税の仕組みです。
外国人が免除される税金は何か
租税条約に基づき、特定の条件を満たす場合に「所得税」が免除されることがあります。これを「短期滞在者免税」と呼びますが、適用されるには以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。


外国人の住民税免除の仕組み
もう一つ、「外国人は住民税を払っていない」と言われることがありますが、これは制度の仕組みによるタイムラグが原因です。
住民税の課税基準日: 毎年1月1日
課税対象: 前年の1月1日〜12月31日の所得
つまり、以下のようなケースでは、一時的に住民税が発生しません。
来日1年目: 前年の日本での所得がないため、住民税は0円。
1月1日より前に帰国した場合: 賦課期日(1月1日)に日本にいないため、前年にどれだけ稼いでいても新年度の住民税は課税されません。
これは「外国人だから優遇されている」のではなく、「住民税の課税システム上、日本人でも海外転出をすれば同じ扱いになる」というだけの話です。2年目以降、1月1日時点で日本に住んでいれば、外国人ドライバーにも当然住民税がかかります。
4.外国人ドライバー税金優遇に関する誤解と問題

SNSやネット上では、外国人労働者の税金に関する誤った情報が散見されます。企業としては正しい認識を持ち、従業員や日本人スタッフへの説明責任を果たすことが重要です。
外国人税金問題としてよくある誤解
誤解1:「外国人は所得税がかからない」
× 間違い:日本の企業で働く特定技能外国人は、日本人と同様に所得税が源泉徴収されます。
誤解2:「外国人は消費税を払わなくていい(免税購入できる)」
× 間違い:免税店で消費税免除(Tax Free)を受けられるのは、観光客などの「非居住者」だけです。日本で働き、6ヶ月以上滞在している「居住者」の外国人ドライバーは、コンビニやスーパーでの買い物も含め、日本人と同じように消費税を負担しています。
誤解3:「外国人は健康保険だけ使って国に帰る(ただ乗り)」
× 間違い:特定技能外国人は社会保険への加入が義務です。給与から毎月、健康保険料と厚生年金保険料を天引きされており、正当な権利として医療を受けています。
税金が外国人に使われると言われる理由
一部で不満が出る背景には、国民健康保険や扶養控除の制度が悪用されているのではないかという懸念がありました。しかし、これらについても近年、厳格化が進んでいます。
海外扶養控除の厳格化: かつては国外に住む親族を何人も扶養に入れて税金を安くするケースがありましたが、現在は送金証明書類や親族関係書類の提出が義務付けられ、要件が厳しくなっています(30歳以上70歳未満の留学生以外の国外居住親族は原則対象外など)。
5.外国人ドライバー税金優遇と企業側の実務対応

ここからは、実際に運送会社が外国人ドライバーを雇い入れる際の実務について解説します。
外国人を雇い入れると社会保険はどうなるか
特定技能外国人を雇用する場合、社会保険(健康保険・厚生年金)および労働保険(雇用保険・労災保険)の加入は義務です。


外国人ドライバー受け入れのメリット
税務や労務管理の手間は多少増えますが、それを補って余りあるメリットが外国人ドライバーの採用にはあります。2024年問題以降、人手不足が加速する運送業界において、彼らは重要な戦力です。

6.まとめ

「外国人ドライバーは税金が優遇されている」という話の多くは、制度の一部を切り取った誤解や、過去の事例に基づくものです。2026年現在、特定技能として働く外国人ドライバーは、日本人とほぼ同じルールで税金と社会保険料を納め、日本の物流を支える重要なパートナーとなっています。

当社では、税務や労務管理を含めた特定技能外国人ドライバーの受け入れ支援をトータルで行っております。複雑な手続きや採用に関するご不安があれば、ぜひお気軽にご相談ください。








コメント