【2026年最新】物流大手の外国人労働者採用が本格化|2024年問題の解決策と最新動向を徹底解説
- 高橋 壮
- 1月10日
- 読了時間: 6分

目次:

この記事で分かること
物流大手が外国人ドライバー採用に踏み切る切実な背景とデータ
SBS、ヤマト運輸など大手企業の具体的な採用計画と育成戦略
特定技能「自動車運送業」の試験内容と受け入れ要件のすべて
採用後の定着率を高めるための教育・生活支援のポイント
1.物流大手の外国人労働者が注目される背景

物流2024年問題と深刻な人手不足
2024年4月からトラックドライバーの時間外労働上限規制(年間960時間)が適用されました。これにより、1人のドライバーが運べる荷物の量が制限され、物流網の維持が危ぶまれる「物流2024年問題」が深刻化しています。

厚生労働省のデータによると、全産業平均の有効求人倍率が1倍台前半で推移する中、自動車運転従事者の有効求人倍率は2.78倍(2025年7月時点)という極めて高い水準にあります。さらにドライバーの高齢化が進み、若年層のなり手不足も相まって、国内人材だけでこの不足分を補うことは現実的に不可能な状況になりつつあります。
特定技能制度で自動車運送業が解禁
こうした状況を打破するため、政府は2024年3月、在留資格「特定技能」の対象分野に自動車運送業を追加することを決定しました。そして準備期間を経て、2024年12月から自動車運送業分野の特定技能評価試験が開始されました。

これまで技能実習制度等でも認められていなかったドライバー職が解禁されたことは、物流業界にとって「開国」とも言える大きな転換点です。
幹線輸送で外国人活用が進む理由
物流大手が特に外国人労働者の活用を進めているのが、拠点間を結ぶ「幹線輸送」の分野です。なぜ集配業務ではなく、幹線輸送なのでしょうか。

このように、定型業務が多く、高い日本語能力による接客スキルがそこまで求められない幹線輸送は、外国人ドライバーが能力を発揮しやすい領域といえます。
2.物流大手の外国人労働者採用の最新動向

SBSの運転手3割1,800人計画
物流業界で最もアグレッシブな目標を掲げているのがSBSホールディングスです。同社は「10年以内にグループのトラック運転手の約3割にあたる1,800人を外国人にする」という壮大な計画を発表しています。

ヤマトの外国人ドライバー500人構想
宅配最大手のヤマト運輸も2025年に入り、具体的な外国人採用計画を明らかにしました。2027年からの5年間で、ベトナム人ドライバーを最大500人採用する構想です。

大手物流企業が現地育成を行う理由
センコーグループホールディングスも2032年度までに100人の外国人ドライバー採用を計画していますが、大手各社に共通するのは「採用国現地での育成(教育)への投資」です。
なぜコストをかけてまで現地育成を行うのでしょうか?理由は大きく3つあります。
運転免許の壁: 日本の運転免許試験は日本語の壁が高いため、現地で教習を行い、日本の免許への切り替え(外免切替)をスムーズにする狙いがあります。
日本語能力の担保: 特定技能1号にはN4レベルが必要ですが、安全運行のためにはより高い会話力が求められます。現地で時間をかけて教育することで質を担保します。
適性の見極め: 長期間の研修を通じて、運転適性や勤怠への意識を見極め、日本で長く働ける優秀な人材を選抜できます。
3.物流大手の外国人労働者に必要な制度要件

特定技能1号で求められる資格条件
特定技能「自動車運送業」で外国人材を受け入れるためには、労働者本人と受け入れ企業の双方に厳格な要件が課されています。

自動車運送業分野評価試験の概要
2024年12月から開始されたこの試験は、一般財団法人日本海事協会が実施しています。試験は「トラック」「バス」「タクシー」の3区分に分かれており、物流業の場合は「トラック」区分を受験します。
試験内容:
学科試験(CBT方式):運行前の点検、エコドライブ、安全運転の知識、乗務記録の作成方法など
実技試験:実際の車両を用いた運転技能の確認(※国によっては免除や講習で代替される場合あり)
日本語能力と運転免許の要件
物流(トラック)分野では、日本語能力試験(JLPT)のN4レベル以上、または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)A2レベル以上の合格が必要です。接客が主なバス・タクシー分野(N3レベル推奨)と比較すると、若干ハードルは低く設定されています。

4.物流大手の外国人労働者受け入れ時の課題

交通安全と教育体制の整備
最大の課題は「交通安全」です。左側通行・右側通行の違いだけでなく、日本の交通ルールやマナーは独特です。一時停止の厳格さや、細い路地での配慮など、日本人には当たり前の感覚を言語化して教える必要があります。
大手企業では、ドライブレコーダーの映像を用いた危険予知トレーニング(KYT)や、添乗指導員によるマンツーマン教育を徹底しています。「標識が読めない」という事態を防ぐため、道路標識に特化した日本語教育も必須です。
多言語対応と職場内サポート
現場の運行管理者や点呼担当者とのコミュニケーションも課題となります。点呼時の体調確認や指示出しが正しく伝わらなければ、事故に直結します。
業務マニュアルや点呼簿の多言語化
翻訳アプリや音声翻訳機の導入
「やさしい日本語」を使った指示出しの社内研修
これらのようなハード・ソフト両面での環境整備が求められます。
定着率を高める生活支援の重要性
せっかく採用・育成したドライバーに長く働いてもらうためには、業務外の生活支援が欠かせません。

特にイスラム教徒の多いインドネシア人ドライバーの場合、礼拝スペースの確保や食事(ハラル)への配慮など、文化的な理解も定着率向上には不可欠です。
5.物流大手の外国人労働者に関するよくある質問

物流業で働く外国人労働者の割合は?
厚生労働省の統計によると、全産業における外国人労働者数は2024年10月時点で230万人を超え過去最多を更新しましたが、運輸業・郵便業における外国人労働者の割合はわずか3.3%にとどまっています。製造業の約26%と比較すると非常に低く、制度解禁を機にこれから急増することが予測される「ブルーオーシャン」な市場といえます。
国際物流の大手5社は?
一般的に、日本通運(NXグループ)、郵船ロジスティクス、近鉄エクスプレス、ロジスティード(旧日立物流)、日新などが挙げられます。これらの企業は海外拠点を多く持ち、グローバルなネットワークを活かして外国人材の採用や育成にも早期から取り組んでいる傾向があります。
運送業でホワイトなドライバー職は?
一般的に「ホワイト」とされるのは、日本郵便や大手宅配会社、大手メーカーの物流子会社のドライバー職です。これらは福利厚生が充実しており、コンプライアンス遵守の意識が高く、無理な運行スケジュールが組まれにくい傾向があります。外国人材にとっても、こうした法令遵守意識の高い企業(特定技能の要件であるGマーク取得企業など)は安心して働ける環境といえます。
外国人を雇用している企業はどれくらい?
帝国データバンクの2024年の調査によると、外国人を「雇用している」企業の割合は全産業で24.7%です。業種別に見ると、運輸・倉庫部門では23.1%の企業が「今後採用を拡大したい」と回答しており、他業種と比較しても高い採用意欲を示しています。
6.まとめ










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