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トラックドライバー賃金推移の最新動向|2024年問題後の収入変化・相場・今後の課題を完全解説

  • 執筆者の写真: 高橋 壮
    高橋 壮
  • 2025年11月30日
  • 読了時間: 14分
トラックドライバー賃金推移の最新動向|2024年問題後の収入変化・相場・今後の課題を完全解説

目次:


トラックドライバーの賃金は本当に上がっているのか——。2024年問題による労働時間規制や人手不足の深刻化など、業界を取り巻く環境は大きく変わりました。その中で「収入はどう変わるのか」「今後も続けられる仕事なのか」と、不安を抱える方も多いはずです。


本記事では最新データをもとに、賃金推移の実態と今後の展望をわかりやすく解説します。


1.トラックドライバー賃金推移の基礎と最新動向


トラックドライバー賃金推移の基礎と最新動向

トラックドライバーの賃金は、労働時間規制や人手不足の影響を受けて大きく変化しています。まずは最新の統計から、その実態と背景を整理していきます。


賃金構造基本統計調査のトラックドライバーデータ


賃金構造基本統計調査は、国が毎年実施している大規模な統計で、トラックドライバーの賃金や労働時間の実態を最も正確に把握できる資料といえます。この調査を確認すると、ドライバーの収入は「所定内給与が低く、時間外労働に依存する構造」が続いてきたことがわかります。


近年は最低賃金の上昇や人材不足の影響から、所定内給与が少しずつ上がりつつあります。ただ、労働時間規制が強化されたことで、残業代による収入アップが難しいという新しい課題も浮き彫りになりました。


具体的には、所定内時給換算額は改善傾向にある一方、年間所得額の伸びが小幅にとどまっています。これは「働く時間が減ったけれど賃金上昇が追いつかない」という構造が背景にあります。初めて統計を見る方でも、ドライバーが置かれている状況を理解しやすいデータです。


厚生労働省が公表するトラックドライバー賃金の特徴


厚生労働省が公表しているデータを細かく見ると、トラックドライバーの賃金にはいくつか特徴があります。最も大きいのは「固定給が低い一方で変動給の比率が高い」という点です。この仕組みは、長時間働くほど給与が上がるという働き方に依存してきた業界特有のものです。


しかし、働き方改革によって残業時間に厳しい上限が設定され、以前のように残業で収入を補うことが難しくなっています。そのため、固定給の底上げが進む一方で、歩合給の割合は年々縮小しています。


また、トラックドライバーは全産業と比較して年間労働時間が長いにもかかわらず、所得が下回る傾向があります。こうした状況は業界全体の課題として長く議論されてきました。読者の方も、賃金の仕組みとその変化を理解することで、なぜドライバー不足が深刻化しているのかをより明確にイメージできるはずです。


運送業の賃金推移と業界全体の変化


運送業全体の賃金推移を見てみると、ここ数年で確実に上昇しています。背景には、慢性的な人手不足や最低賃金の引き上げ、運賃改善を目的とした国の政策などがあります。とくに「標準的な運賃」の改定が追い風となり、企業が固定給を上げやすくなった点は大きな変化です。


一方で、業界全体が同じように収益を伸ばしているわけではありません。燃料費の高騰や荷待ち時間の長さなど、企業努力だけでは解消しづらい課題が残っています。その結果、賃金を十分に上げられない会社と、積極的に待遇改善を進める会社の差が開きつつあります。


前述の通り、労働時間の短縮も重なって収入構造は大きく変わりつつあります。業界全体で「長く働いて稼ぐ」から「働きやすさと安定した給与を重視する」方向へ移行している段階だと言えるでしょう。読者の方が賃金推移を見る際は、この大きな流れを意識すると情報をより理解しやすくなります。


2.トラックドライバー賃金推移と労働環境の変化


トラックドライバー賃金推移と労働環境の変化

トラックドライバーを取り巻く労働環境は、賃金推移とともに大きな転換期を迎えています。規制強化や働き方改革が進む中、その変化を正しく押さえておくことが重要です。


トラックドライバーの労働時間の現状


トラックドライバーの労働時間は、依然として全産業と比べて長いままです。年間の拘束時間が長く、運転以外の「荷待ち」「荷役」「附帯作業」などが多くを占めています。これらは運転手自身の努力では短縮しづらく、業界全体の改善が求められる部分です。


2024年からは時間外労働の上限が年間960時間に規制されました。この結果、労働時間の削減は進んだ一方、運行本数を減らす必要が出て、収入が伸び悩むケースも見られます。また、荷待ち時間の削減が進まなければ、規制により運送を断らざるを得ない現場が今後も増える可能性があります。


勤務環境は改善の途上にあり、企業と荷主双方が協力しなければ労働時間全体が減らないという課題が残っています。読者の方にも、単にドライバーが「長く働きすぎている」だけではなく、仕組み全体に原因があることが理解しやすい状況と言えるでしょう。


ドライバー人件費の推移と賃金への影響


ドライバーの人件費はここ数年で確実に上昇しています。背景には、人手不足による採用競争の激化、最低賃金の大幅な引き上げ、固定給を底上げする流れがあるためです。以前は歩合給の比率が高い給与体系が一般的でしたが、最低賃金の上昇によって企業側が固定給を上げざるを得ない状況になりました。


ただ、人件費が増える一方で運賃が十分に上がっていない企業では、賃上げに限界が生じています。とくに中小運送会社はコスト増への耐性が弱く、賃金改善が遅れがちです。また、残業時間に上限ができたことで変動給が減り、総収入が伸びにくいという影響もあります。


人件費の増加はドライバーにとって好材料に見えますが、企業側が支えきれない場合、結果として待遇改善につながらないケースもあります。賃金と人件費が単純に比例しない点を理解しておくと、業界の実情がより掴みやすくなるはずです。


ドライバーの2025年問題とは何か


人件費の推移と2025年問題

2025年問題とは、物流の持続性を保つためのルールが段階的に強化され、荷主にも具体的な義務が課され始めるタイミングを指します。


2025年4月からは「改正物流効率化法(改正物流二法)」が施行され、荷待ち・荷役などの作業時間やその対価を文書で明確にすることが義務化されました。


さらに、2026年4月には大口荷主が「特定荷主」として指定され、荷待ち・荷役時間の削減や物流効率化の取り組みを定期的に報告することになります。この流れは、ドライバーの負担を減らし、労働時間を適正化することが目的です。


ただし、実際に現場で運用されるまでには時間がかかる可能性があり、制度が整っても荷主側の協力が進まなければ改善は限定的になる恐れがあります。


ドライバーだけでなく「荷主側の行動」が変わらないと労働環境が改善しない点に注目すると理解が深まりやすくなります。



3.トラックドライバー賃金推移と人材不足の現状


トラックドライバー賃金推移と人材不足の現状

トラックドライバーの賃金推移には、人材不足の深刻化が強く影響しています。人口減少と採用難が重なる中、業界全体でどのような変化が起きているのか整理していきます。


トラックドライバー人口の推移と最新傾向


トラックドライバーの人口は、この10年以上にわたり減少傾向が続いています。特に若年層の新規参入が伸びず、業界全体で人材の確保がますます難しくなっています。運輸業は体力的な負担が大きいイメージが強く、長時間労働の問題も相まって、働き手が集まりにくい状況が続いてきました。


人材不足の現状

最近のデータでは、ドライバー人口の減少に拍車がかかっており、引退者の増加が採用数を上回る状態が続いています。2024年からの労働時間規制により、企業が受け入れられる運行量が減ったことで、採用の計画そのものを見直す動きも出ています。


こうした状況は、運送能力の低下につながる可能性が高く、荷主企業の業務にも影響することが懸念されています。「ドライバーが足りない」という課題は、単に採用難だけでなく、長期的な人口減少と働き方改革の両方が重なっている点に注目する必要があります。


トラックドライバーの有効求人倍率の推移


有効求人倍率の高水準

トラックドライバーの有効求人倍率は、長年にわたり非常に高い水準を維持しています。他産業と比べても突出しており、「1人の求職者に対し、複数社が奪い合う」構造が続いています。この数字が高ければ高いほど、企業が人材を確保しにくい状態であることを示します。


深刻な人手不足に加え、2024年以降は時間外労働が制限されたことで、必要な台数を運行するためのドライバー数をさらに増やす必要が出てきました。そのため、多くの運送会社が求人を拡大していますが、求職者の数が追いついていません。


求人倍率が高い背景には、給与水準の伸び悩みや労働時間の長さも影響しています。働きやすい職場を求めて他業種へ転職する人も多く、業界として待遇改善を進めなければ、倍率が下がる見込みは薄いでしょう。


トラックドライバー平均年齢の推移から見る高齢化


道路貨物運送業の年齢階層別就業者構成比

トラックドライバーの平均年齢は年々上昇しており、現在では業界全体が50代に近い水準となっています。他の職種と比較しても高齢化が進んでいる業界のひとつです。若い人材の参入が少ない一方で、ベテランドライバーが多く残ってきたため、このような構造になっています。


高齢化が進むと、健康面の課題や運転リスクが高まるだけでなく、数年以内に大量の引退者が発生する可能性が高くなります。これにより、さらに深刻な人手不足が予想されます。前述の通り、人口減少や採用難と組み合わさることで、輸送能力の維持が難しくなる企業も増えるでしょう。


一方で、経験豊富なドライバーが長く働ける環境を整えることは、業界全体にとって重要です。労働時間の見直しや負担の軽減が進めば、引退時期を遅らせることも可能になります。


4.トラックドライバー賃金推移と職種別・車格別の相場感


トラックドライバー賃金推移と職種別・車格別の相場感

トラックドライバーの賃金は、担当する車格や運行内容によって大きく変わります。給与相場を正しく理解することで、業界の実情や自身のキャリアの方向性をつかみやすくなります。


トラックドライバーの賃金相場はいくらか


車格・車種別の給与レンジ目安

トラックドライバーの賃金相場は、業務内容や車両の大きさ、勤務エリアによって幅があります。一般的には、月給で35万円〜40万円前後が一つの目安です。近年は人手不足が深刻化しており、以前よりも固定給が上がる傾向が見られます。


ただ、歩合給の割合が下がってきたことで、総収入は会社によって差が大きくなっています。荷待ち時間の長さや深夜運行の有無など、働く条件によっても収入は左右されます。初めて業界に関心を持つ読者でも、求人情報の給与だけで判断せず、「固定給・手当・歩合給の内訳」を確認すると、実際の収入をより正確に把握しやすくなります。


10トントラックドライバーの年収水準


10トントラックを扱うドライバーは、大型免許が必要となり、運ぶ荷物の種類や走行距離も増えるため、中型や小型より年収が高くなる傾向があります。一般的には年収450万円〜550万円程度が中心ラインです。


ただし、大型ドライバーは長距離輸送が多いことから、拘束時間が長くなりやすく、過去は残業代で年収を大きく伸ばせる働き方でした。現在は働き方改革により時間外労働に上限があるため、以前のように残業で収入を増やすことが難しくなりつつあります。


それでも、車格別では依然として高い収入帯に属するポジションです。大型免許の取得には費用や時間がかかりますが、それに見合った収入を得られる仕事として注目されています。


トラック運転手の賃金上昇率の最新情報


最新の調査では、トラック運転手の賃金は前年比で5〜6%程度上昇しています。特に2024年は、最低賃金の大幅な引き上げや人材確保の必要性により、固定給の底上げが一気に進みました。


ただ、賃金が上がっているといっても、全産業と比較するとまだ低い位置にあります。歩合給の割合が減り、所定内給与は増えているものの、年間所得の伸びが小幅にとどまっている点も課題です。


賃金上昇の背景には、国が「標準的な運賃」を引き上げたこともあり、企業がドライバーに還元しやすくなった流れがあります。一方で、運賃が十分に上がらない地域や企業では、賃上げが追いついていないケースも見られます。



5.トラックドライバー賃金推移から見える今後の展望


トラックドライバー賃金推移から見える今後の展望

トラックドライバーの賃金推移は、業界の未来を映す重要な指標です。働き方改革や人手不足の影響を踏まえ、今後どのような方向へ進むのかを見極める必要があります。


​​労働時間規制と2024年問題が収入に与える影響


2024年問題による労働時間規制は、ドライバーの収入にも確実に影響を及ぼしています。時間外労働の上限が年960時間に固定されたことで、これまで残業代や深夜手当で収入を補ってきた働き方が難しくなったためです。特に、歩合給や残業代の割合が高い給与体系の会社では、収入が下がったという声も少なくありません。


一方で、規制をきっかけに固定給を引き上げる運送会社も増えています。最低賃金の上昇や人手不足の深刻化から、従業員をつなぎとめるために賃上げを行う動きが活発化しているためです。働き方改革が収入減の不安につながる一方で、企業が待遇改善に踏み切るきっかけにもなっています。


読者の方は、企業ごとに収入の変化に差が出ることを理解しておきましょう。規制内容自体は全国一律ですが、給与体系や運行形態によって収入の影響度は大きく異なります。


賃金改善に向けて必要な取り組み


賃金を改善していくためには、企業側の取り組みが不可欠です。特に重要なのが、「適正運賃の収受」と「生産性向上」の2点です。運賃が低いままでは人件費を上げることができず、結果としてドライバーの賃金改善が滞ります。


たとえば、国が推奨する「標準的な運賃」を活用した交渉は、多くの企業で成果につながっています。荷待ち時間料や付帯作業料を含めて請求することで、これまで未収だった費用を正当に受け取れるようになるためです。また、パレット化による荷役時間の短縮やトラック予約システムの導入は、業務効率を高め、時間外労働を減らしながら運行回数を確保するのに役立ちます。


ドライバーの待遇改善は、一つの対策で劇的に変わるものではありません。運賃の見直し、業務効率化、給与制度の再設計など、複数の取り組みを積み重ねることが長期的な改善につながります。


賃金推移が示す物流業界の将来課題


賃金の推移を見ると、近年は上昇傾向にあるものの、依然として全産業平均より低い状況が続いています。この背景には、長時間労働に依存した働き方や、運賃の低迷、人材流出など、業界全体が抱える構造的な課題があります。


とくに深刻なのがドライバーの高齢化と若手不足です。平均年齢はすでに50歳に近づいており、このままでは将来的に運び手が大幅に不足する可能性があります。賃金が上がらない業界には若手が集まりにくく、結果として業界の縮小につながるリスクがあります。


賃金推移が示しているのは、「今後も待遇改善を続けなければ立ち行かない」という明確なサインです。収入面・働き方・運賃体系などを総合的に改善していくことで、物流の持続性を守ることができます。今後の業界動向を見るうえでも、賃金推移は重要な指標となるでしょう。


6. 特定技能で人手不足に対応するという選択肢


日本の物流現場ではドライバー不足が続き、従来の採用方法だけでは人材確保が難しくなっています。その解決策として注目されているのが、即戦力として働ける特定技能ドライバーの受け入れです。必要な技能試験と日本語試験を合格した海外人材のため、安全面でも一定の基準が担保されています。


登録支援機関を活用すれば、ビザの手続きから生活サポート、職場でのフォローまで一括で任せられ、初めて受け入れる企業でも導入しやすいのが特長です。


定着につなげるためには、交通ルールの指導や仕事の進め方を丁寧に説明し、既存ドライバーとのコミュニケーションを円滑にする体制づくりが欠かせません。段階的に育成する仕組みが整えば、長く働ける戦力として活躍が期待できます。


特定技能ドライバーの活用は、人手不足解消に直結する現実的な選択肢です。適切な受け入れ環境を整えながら、安定した採用につなげていきましょう。


7.まとめ


まとめ

トラックドライバーの賃金推移を見ると、業界は長時間労働に依存した時代から大きな転換点を迎えていることがわかります。


働き方改革による時間外労働の上限設定、最低賃金の上昇、人手不足の深刻化など、複数の要因が同時に進んだことで、従来の「残業で稼ぐ構造」はすでに限界を迎えています。一方で、固定給の底上げや標準的な運賃の改定など、待遇改善につながる動きも徐々に広がっています。


今後は、企業が適正運賃の収受や業務効率化に本気で取り組めるかが、ドライバーの収入と業界の存続を左右します。また、人口減少と高齢化が進む中で、若手が安心して働ける環境づくりは避けて通れません。賃金推移は単なる数字の変化ではなく、物流の未来を映す「警鐘」です。読者の方も、この変化を自社の経営やキャリアの判断にどう生かすかを考える視点が求められています。



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