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特定技能運送業国別ランキング完全ガイド|2026年最新データで見る採用戦略

  • 執筆者の写真: 高橋 壮
    高橋 壮
  • 2 日前
  • 読了時間: 8分
特定技能運送業国別ランキング完全ガイド|2026年最新データで見る採用戦略

目次:


2024年3月に新たに対象分野となった特定技能「自動車運送業」。トラック、バス、タクシー業界での深刻なドライバー不足を解決する切り札として、多くの運送事業者が外国人材の採用に注目しています。しかし、「どの国からの人材が最も多いのか」「試験合格率はどう違うのか」「自社に最適な国籍はどこか」といった疑問を持つ採用担当者も少なくありません。


本記事では、2025年8月までの最新試験データをもとに、特定技能運送業における国別ランキングの全体像を徹底解説します。受験者数・合格者数・合格率を国別に分析し、インドネシア、カンボジア、ミャンマーなど上位国の特徴から、企業が国籍を選ぶ際の実践的な判断軸まで、データに基づいた採用戦略をお届けします。


1.特定技能運送業国別ランキングの全体像


特定技能運送業国別ランキングの全体像

制度開始後の外国人受け入れ状況


特定技能「自動車運送業」分野は、2024年12月から試験が開始され、わずか半年で大きな進展を見せています。2025年8月20日時点での合格発表済み試験データによると、全業務区分(トラック・タクシー・バス)合計で受験者数3,493名、合格者数2,557名、合格率73.2%という結果となりました。


このうちトラック分野が最大で受験者数2,909名と全体の約83%を占めており、運送業界の人手不足がいかに深刻かを物語っています。タクシーは受験者275名・合格率70.5%、バスは受験者309名・合格率86.4%と、業務区分によって受験者規模や合格率にも違いが見られます。



試験合格者数から見る国別傾向


試験実施国は、日本海事協会のポータルサイトによると16ヶ国(日本含む)で実施されています。しかし、実際に受験者が多い国は限られており、日本国内での受験が最多で全体の47%を占めています。これは、既に技能実習などで日本に在留している外国人が特定技能へ移行するケースが多いことを示しています。


海外試験では、インドネシア、ミャンマー、カンボジアが上位3ヶ国となっており、この3ヶ国で海外受験者の約半数を占める構造になっています。ネパール、フィリピン、スリランカ、タイ、インド、モンゴルなどが続きますが、受験者数は各国100名未満と、まだ発展途上の段階と言えます。



2.特定技能運送業国別ランキング上位国の特徴


特定技能運送業国別ランキング上位国の特徴

インドネシアが最多となる背景


海外試験ではインドネシアが圧倒的な受験者数を誇り、929名が受験、625名が合格(合格率67.3%)という結果になっています。インドネシアは人口約2.8億人を擁するASEAN最大の国であり、日本への出稼ぎ労働に対する関心が非常に高い国です。


特定技能制度全体でも、インドネシアはベトナムに次ぐ第2位の送出国となっており、2024年6月から12月の半年間で9,198人増加という驚異的な伸びを見せています。運送業分野でも、この勢いが反映される形となっています。



ただし、インドネシアの合格率67.3%は他国と比較してやや低めとなっています。これは受験者数が多いために準備不足の受験者も含まれていることが原因と考えられます。企業としては、合格者の中からさらに日本語能力や運転スキルを見極める必要があります。


カンボジア・インドの成長動向


カンボジアは受験者190名・合格者142名(合格率74.7%)と、インドネシアやミャンマーに次ぐ第3位の受験者数を記録しています。カンボジアは近年、技能実習生の送出国としても注目されており、2024年下半期には特定技能1号在留者数で大きく増加しています。


一方、インドは受験者数こそ57名と少ないものの、合格率90.2%と全実施国中トップという驚異的な数字を叩き出しています。これはインド人の教育水準の高さや、試験に向けた徹底的な準備を物語っています。インドは英語を話せる人材が多く、IT人材のイメージが強いですが、運送業でも高いポテンシャルを秘めていると言えるでしょう。



フィリピン・ミャンマーの位置づけ


フィリピンは受験者96名・合格者65名(合格率67.7%)と、トップ5にランクインしています。フィリピンは英語が公用語であり、コミュニケーション能力が高い人材が多いのが特徴です。特に介護や看護分野での実績が豊富で、サービス業への適応力も高いと評価されています。


ミャンマーは受験者193名・合格者154名と第2位の受験者数を誇り、合格率79.8%という高水準を維持しています。ミャンマー人材は真面目で勤勉な国民性があり、日本企業からの評価も高い傾向にあります。ただし、2021年の政変以降、送出環境に不安定さが残る点には注意が必要です。




3.特定技能運送業国別ランキングと試験データ分析


特定技能運送業国別ランキングと試験データ分析

トラック分野の国別合格状況


トラック分野は特定技能運送業の中核を占める業務区分で、受験者2,909名・合格者2,096名・合格率72.1%という結果になっています。国別に見ると、日本国内での受験が1,111名(51%)と最多で、海外ではインドネシアが508名(24%)と突出しています。


注目すべきはトラック分野でもインドが合格率90.2%でトップを記録している点です。ミャンマー83.9%、タイ82.9%、日本77.2%、カンボジア73.2%と続きます。受験者数が多いインドネシアは合格率59%とやや苦戦していますが、合格者の絶対数では依然として最大の供給源となっています。



バス・タクシー分野の国別傾向


バス分野は受験者309名・合格者267名・合格率86.4%と、3業務区分の中で最も高い合格率を記録しています。日本国内での受験が210名と最多で、海外ではインドネシア74名、フィリピン16名という構成になっています。


バス運転手は大型二種免許が必要で、日本語コミュニケーション能力も高いレベルが求められるため、受験者の準備度合いが高く、結果として合格率も上昇していると考えられます。


タクシー分野は受験者275名・合格者194名・合格率70.5%となっています。日本国内が173名、インドネシア67名、カンボジア21名という分布です。タクシーは接客要素が強く、日本語能力と地理知識が重要になるため、受験者の選別がより厳しくなっている可能性があります。



4.特定技能運送業国別ランキングを活かす採用戦略


特定技能運送業国別ランキングを活かす採用戦略

企業が国籍を選ぶ際の判断軸


「どの国の人材を採用すべきか」という問いに、絶対的な正解はありません。企業の所在地、業務内容、受け入れ体制、予算などによって最適解は異なります。しかし、判断の軸となるポイントはいくつか存在します。



例えば、「とにかく早く複数名を採用したい」という企業であれば、受験者数が多いインドネシアを第一候補とし、登録支援機関や人材紹介会社のネットワークを活用する戦略が有効です。一方、「じっくり教育して長期定着を図りたい」という企業であれば、合格率が高く教育水準の高いインドやミャンマーに注目し、少数精鋭で採用する方針も考えられます。


国別に異なる採用メリット


各国の人材には、それぞれ異なる強みと特徴があります。企業の求める人材像とマッチングさせることが、採用成功の鍵となります。



また、既に自社に在籍している外国人材の国籍も重要な判断材料です。同国出身の先輩がいることで、新人の不安が軽減され、職場への適応がスムーズになります。社内に「インドネシア人コミュニティ」や「ミャンマー人グループ」が形成されていれば、その国からの追加採用を優先することで、相互支援の文化を醸成できます。



5.特定技能運送業国別ランキングから見る今後の展望


特定技能運送業国別ランキングから見る今後の展望

今後増加が見込まれる国


今後受験者数・合格者数の増加が見込まれる国がいくつかあります。

国・地域

現状

今後の見通し・特徴

ベトナム

運送業分野のCBT試験は未開始(2026年1月時点)

試験開始後は受験者急増し、上位送出国になる可能性が高い

インド

受験者数57名と少数

合格率90.2%と非常に高く、体制整備次第で大きな伸びが期待される

スリランカ

受験者数はまだ限定的

英語教育が盛んで、コミュニケーション力の高い人材が多い

バングラデシュ

受験者数はまだ限定的

英語力のある人材が多く、今後の成長が見込まれる

特定技能制度全体でも増加傾向にあり、運送業への参入も時間の問題と言えるでしょう。



企業が今から準備すべきポイント


特定技能運送業の国別ランキングは、今後も大きく変動していく可能性があります。企業として今から準備しておくべきポイントを整理しましょう。


番号

施策テーマ

要点(概要)

複数国からの採用ルート確保

特定国依存を避け、インドネシア・ミャンマー・カンボジアなど複数国とパイプを持つ支援機関・紹介会社と提携する

多文化共生の社内環境整備

宗教・文化の違いを尊重し、礼拝室設置、多言語マニュアル整備、国別コミュニティ支援で定着率向上を図る

データに基づく採用戦略見直し

試験データを定期確認し、国別受験者数・合格率を分析、年1回採用方針を更新する

先行・成功事例の収集

他社・他業種の成功施策を学び、セミナーや勉強会参加で受け入れ体制を改善する



6.まとめ|特定技能運送業国別ランキングを戦略的に活用しよう


まとめ|特定技能運送業国別ランキングを戦略的に活用しよう

特定技能「自動車運送業」分野の国別ランキングは、制度開始からまだ日が浅いこともあり、今後も大きく変動していく可能性があります。現時点ではインドネシア、ミャンマー、カンボジアが上位3ヶ国を形成し、インドが最高合格率90.2%を記録するなど、各国それぞれに特徴が見られます。


企業が採用戦略を立てる際には、単に受験者数や合格率だけでなく、自社の業務内容、受け入れ体制、地域特性、予算などを総合的に勘案する必要があります。「人材が豊富なインドネシア」「高合格率のインドやミャンマー」「成長著しいカンボジア」など、各国の強みを理解し、自社に最適な採用ルートを構築しましょう。


今後、ベトナムのCBT試験開始や、インドの本格参入など、国別ランキングに大きな変化が訪れる可能性があります。常に最新データをチェックし、柔軟に戦略を見直すことが、採用成功への近道となります。


特定技能運送業の国別ランキングは、単なる統計データではありません。それは、企業の人材戦略を左右する重要な羅針盤です。このデータを活用し、自社に最適な外国人ドライバーを採用・育成していきましょう。



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