top of page

外国人をトラック運転手として雇える?必要な免許・日本語と注意点

  • 7月3日
  • 読了時間: 7分
外国人をトラック運転手として雇える?必要な免許・日本語と注意点

人手不足のなか、外国人をトラック運転手として迎えたい運送会社が増えています。結論から言えば、雇うことはできます。ただし、在留カードを持っているからといって、誰でもトラックを運転させてよいわけではありません。運転できる在留資格は限られ、特定技能(自動車運送業)にはトラック専用の要件があります。さらに、技能評価試験に受かることと、日本の運転免許を持つことは別の話です。


ここでは、在留資格別に運転させてよいかの見分け方、特定技能トラックの要件、免許(とくに大型)の段取りまでを、採用計画を立てられる形で整理します。法令にかかわる部分は、最終的に専門家の確認を前提にしてください。


📋 目次


1.雇える。ただし「在留資格」による


外国人をトラック運転手として雇うことはできます。2024年に特定技能へ「自動車運送業」が加わり、トラック・タクシー・バスの運転手を受け入れられるようになりました。ただし、運転させてよいかどうかは、その人の在留資格で変わります。本筋は特定技能(自動車運送業)で、これにはトラック専用の要件があります。


先に押さえる3点      在留資格で可否が変わる:在留カードがあれば誰でも運転、ではない    本筋は特定技能(自動車運送業):試験・日本語・第一種免許の要件がある    試験と免許は別:評価試験に受かっても、運転免許がなければ運転できない

まず確かめるのは、その人を運転させてよいか。在留資格の種類で判定できます。


2.在留資格別の運転可否を判定する


在留資格別の運転可否を判定する

トラックを運転させてよいかは、在留資格の種類で決まります。運転業務が認められるのは、特定技能(自動車運送業)か、就労に制限のない身分系などに限られます。技人国や技能実習では、トラックの運転業務はできません。


在留カードを持っていれば、外国人にトラックを運転させてよい  在留資格の種類によって、できる仕事の範囲が違います。トラックの運転を任せられるのは、特定技能(自動車運送業)や身分系などに限られます。専門職向けの「技術・人文知識・国際業務(技人国)」や「技能実習」では、運転業務はできません。確認せずに運転させると、不法就労になりかねません。

在留資格

トラック運転

備考

特定技能(自動車運送業)

できる

試験・日本語・第一種免許の要件あり(本筋)

永住者・定住者・配偶者など(身分系)

できる

就労制限なし。日本の免許があれば運転可

技人国(技術・人文知識・国際業務)

できない

専門職向け。現業の運転は認められない

技能実習

できない

運送(トラック運転)の職種がない

留学・家族滞在

できない

就労制限があり、運転業務は現実的でない

まず在留カードで資格と期限を確認する  採用の前に、在留カードで在留資格の種類と在留期限を確かめてください。運転を任せられる資格か、期限が切れていないか。ここを飛ばすと、不法就労のリスクが残ります。確認の手順は、在留カードの見方の解説とあわせて押さえておくと安心です。


3.特定技能トラックの要件|試験・日本語・免許


特定技能でトラックドライバーを採るには、3つの要件がそろう必要があります。自動車運送業分野の技能評価試験、日本語、そして運転する車両に応じた第一種免許です。


① 技能評価試験


自動車運送業分野特定技能1号評価試験に合格します。日本海事協会(ClassNK)がCBT方式で実施し、令和6年12月から始まっています。トラック区分の知識などが問われます。


② 日本語


トラックの日本語要件は、JLPTのN4以上、またはJFT-Basicの合格(A2相当)です。乗客と接するタクシー・バスより一段やさしい水準で、これがトラックの始めやすさにつながります。


③ 第一種免許(車両に応じて)


運転する貨物自動車の大きさに応じて、普通・準中型・中型・大型のいずれかの第一種免許が必要です。タクシーやバスで要る第二種免許は不要です。免許の種類と取得の段取りは、後の章で詳しく見ます。

要件

内容

技能評価試験

自動車運送業分野 特定技能1号評価試験(ClassNK・CBT・令和6年12月〜)

日本語

N4以上 または JFT-Basic 合格(A2相当)

運転免許

運転する車両に応じた第一種免許(普通/準中型/中型/大型)



4.「評価試験に受かれば運転できる」ではない


「評価試験に受かれば運転できる」ではない

つまずきやすいのが、評価試験と運転免許の混同です。技能評価試験は、特定技能の在留資格を得るための試験で、運転の許可ではありません。実際にトラックを運転するには、別に日本の運転免許が必要です。


特定技能の評価試験に合格すれば、すぐ運転できる  評価試験は在留資格のための試験です。これとは別に、日本の運転免許を持っていなければ、トラックを運転できません。免許は、外国の免許を切り替える「外免切替」か、日本の教習所で取得します。この免許の段取りが、採用で最も時間を要する部分です。

免許をどう用意するかで、乗車までの期間は大きく変わります。とくに大きな車両ほど、計画的な段取りが要ります。


5.車両サイズ別の免許と、大型の段取り


必要な免許は、運転する車両の大きさで変わります。普通・準中型・中型・大型のどれか。外国の免許から切り替えられるのは第一種だけで、大型には運転経歴の要件があるため、外免切替の直後にすぐ大型へ、とはいきません。


車両サイズと必要な免許

運転する車両

必要な第一種免許の例

小型の貨物

普通免許

中くらいの貨物

準中型・中型免許

大型トラック

大型免許

外免切替は「第一種だけ」


外国で取得した免許を試験免除で日本の免許に切り替える外免切替は、第一種免許に限られます。トラックは第一種で足りるため、この制度を使える余地があります(タクシー・バスの第二種は外免切替できず、日本で取得が必要です)。


大型は経歴の壁がある


大型一種は、原則として21歳以上で、運転経歴が3年以上必要です。外免切替や免許取得の直後は、日本での経歴が浅く、すぐには大型を取得できないことが多いです。2025年9月以降は受験資格特例教習で要件が緩和される道もありますが、基本は中型・準中型から始め、段階的に大型へ進む前提で計画するのが現実的です。海外から呼ぶ場合は、準備期間(特定活動)としてトラックで6か月の在留が設けられており、その間に免許を整えます。


「採ったその日に大型」は描かない  大型即戦力を前提にすると、免許の段取りで計画が狂います。乗ってほしい車両の大きさと、本人の免許・経歴を突き合わせ、無理のない車両から任せてください。経歴がベトナム等の母国分も算入されるかは個別判断のため、運転免許センターや専門家に確認します。

6.3区分でトラックが始めやすい理由


3区分でトラックが始めやすい理由

自動車運送業はトラック・タクシー・バスの3区分ですが、最初に取り組むなら、トラックが入りやすい区分です。日本語の水準、必要な免許、会社側の認証の3点で、ハードルが一段低くなっています。

項目

トラック

タクシー・バス

日本語

N4以上 / JFT-Basic

N3以上(乗客対応のため)

必要免許

第一種(外免切替が使える)

第二種(外免切替できず日本で取得)

研修

新任運転者研修

会社の認証

働きやすい職場認証 または Gマーク

働きやすい職場認証(必須)

免許の壁の差が大きい  タクシー・バスは第二種免許が要りますが、第二種は外免切替の対象外で、日本で取得しなければなりません。トラックの第一種なら外免切替の余地があり、ここが始めやすさの分かれ目になります。初めての受け入れは、トラックから検討すると無理がありません。

7.受け入れ側の要件と段取り


会社側にも満たすべき要件があります。国交省が設ける協議会への加入、働きやすい職場認証またはGマーク、そして直接雇用です。派遣での受け入れは認められていません。免許の取得期間も含め、乗車までを逆算して進めます。


会社側の主な要件


  • 協議会への加入自動車運送業の特定技能協議会の構成員になる

  • 職場認証 または Gマークトラックは働きやすい職場認証、またはGマークで代替できる

  • 直接雇用(派遣は不可)フルタイムの直接雇用で受け入れる

  • 在留期間は通算5年特定技能1号の在留は通算で最長5年


乗車までの段取り


最初に  在留資格と人材の確認  運転できる在留資格か確認。国内の特定技能人材を探すか、海外から呼ぶかを決める。会社は協議会加入・認証を進める。  要件クリア  評価試験・日本語  技能評価試験と日本語要件を満たす。海外から呼ぶ場合は準備期間(特定活動・トラック6か月)を使う。  免許  外免切替 または 教習  運転する車両に応じた第一種免許を用意。大型は経歴の段取りも踏まえる。  そろい次第  乗車開始  在留資格・免許がそろって、ようやく乗車。無理のない車両から任せる。


8.やりがちな失敗


やりがちな失敗

受け入れの入口での思い違いが、不法就労や計画倒れを招きます。下の4つは特に多い失敗です。


在留資格を確認せず運転させる  技人国や技能実習の人に運転させ、不法就労になる。  → 在留カードで運転できる資格か確認する  評価試験=運転OKと誤解する  試験合格を運転許可と思い込み、免許の期間を計画に入れない。  → 免許の取得を必ず工程に入れる  最初から大型を期待する  経歴要件で大型を取れず、即戦力として乗せられない。  → 中型・準中型から段階的に計画する  派遣で受け入れようとする  特定技能は直接雇用が原則。派遣では受け入れられない。  → フルタイムの直接雇用で迎える



9.よくある質問(FAQ)


どの在留資格なら、トラックを運転させられますか?


特定技能(自動車運送業)と、就労制限のない身分系(永住者・定住者・配偶者など)です。技人国や技能実習では運転業務はできません。まず在留カードで種類を確認してください。


日本語はどのレベルが必要ですか?


トラックはN4以上、またはJFT-Basicの合格(A2相当)です。乗客と接するタクシー・バスはN3以上で、トラックのほうがやさしい水準です。


外免切替は、どこまでの免許に使えますか?


外免切替で切り替えられるのは第一種免許です。トラックは第一種で足りるため使える余地があります。タクシー・バスの第二種は外免切替できず、日本で取得が必要です。


採用から乗車まで、どれくらいかかりますか?


在留資格の手続き、評価試験・日本語、免許の用意で変わります。とくに免許、なかでも大型は段取りに時間がかかるため、乗ってほしい時期から逆算して早めに動くのが安全です。


派遣会社から受け入れることはできますか?


特定技能の自動車運送業は直接雇用が原則で、派遣での受け入れは認められていません。フルタイムの直接雇用で迎える必要があります。


10.まとめ|雇うまでの手順


まとめ|雇うまでの手順

外国人をトラック運転手として雇うときは、在留資格の確認から始め、特定技能なら要件と免許の段取りを計画します。次の順で進めてください。


雇うまでの手順

  1. 在留カードで、運転できる在留資格か・期限が有効かを確認する

  2. 特定技能なら、評価試験・日本語(N4以上)・第一種免許の3要件を押さえる

  3. 評価試験と運転免許は別物。免許の取得を必ず工程に入れる

  4. 運転する車両に応じた免許を用意。大型は経歴の段取りを踏まえる

  5. 3区分の中ではトラックが始めやすい(N4・第一種・Gマーク可)

  6. 会社は協議会加入・職場認証またはGマーク・直接雇用を整える

  7. 法令にかかわる判断は、登録支援機関や専門家に確認する


在留資格で運転できる人かを見極め、免許の段取りまで含めて逆算する。この順番を押さえれば、外国人ドライバーの採用は現実的に進みます。国別の採り方や、転職・定着の備えは、それぞれの解説とあわせて検討すると計画の精度が上がります。



コメント


  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
bottom of page