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運転免許取得に人材開発支援助成金は使える?特定技能外国人も対象になるケースを解説

  • 4 日前
  • 読了時間: 13分

更新日:3 日前

運転免許取得に人材開発支援助成金は使える?特定技能外国人も対象になるケースを解説

物流・建設・農業など、幅広い分野でドライバー不足が深刻化しています。特定技能外国人を含む従業員に運転免許を取得させたい企業にとって、免許取得にかかる費用負担は決して小さくありません。


そんな課題の解決策として注目されているのが「人材開発支援助成金」です。要件を満たせば免許取得にかかる経費や訓練期間中の賃金の一部が助成され、中小企業の場合は最大70%の助成を受けられるケースもあります。


さらに、令和7年(2025年)4月の制度改正で申請手続きが簡素化され、以前より活用しやすくなりました。


本記事では、対象となる免許の種類・受給要件・申請の流れ・特定技能外国人が対象になるケースまで、企業の採用担当者・経営者に向けてわかりやすく解説します。

目次:


1. 人材開発支援助成金(人材育成支援コース)とは?


人材開発支援助成金(人材育成支援コース)とは?

人材開発支援助成金とは、企業が従業員に対して職務に必要な専門知識や技能を習得させるための職業訓練を実施した場合に、訓練にかかる経費・訓練期間中の賃金の一部を国が助成する制度です。


助成の対象となるのは事業主・事業主団体などで、雇用保険被保険者であれば正規・非正規を問わず対象になります(詳細は後述)。

現在、以下の6つのコースが設けられており、自動車免許の取得は「人材育成支援コース」で申請できます。

コース名

概要

✅ 人材育成支援コース

OFF-JTや実習型訓練への助成(免許取得はこちら

教育訓練休暇等付与コース

有給の教育訓練休暇制度の整備支援

人への投資促進コース

高度な資格・IT・サブスクリプション型研修など

事業展開等リスキリング支援コース

新規事業に向けた異分野リスキリング(令和8年度末まで)

建設労働者認定訓練コース

建設業の認定訓練への支援

建設労働者技能実習コース

建設労働者の技能向上訓練への支援


▼ 令和7年(2025年)4月の主な改正ポイント


制度改正により、以前より使いやすくなっています。主な変更点は以下の通りです。


改正内容

改正前

改正後(2025年4月〜)

賃金助成額(中小企業)

760円/時

800円/時に引き上げ

賃金助成額(大企業)

380円/時

400円/時に引き上げ

計画届の取り扱い

提出後に事前審査あり

審査廃止・届出制に一本化

申請様式

コースごとに個別様式

3コース共通様式に統一

分割支給申請

不可

令和8年3月2日〜可能(長期訓練の途中段階で申請)

【令和7年4月改正】主な変更点




2. 運転免許取得に使える!対象となる免許の種類


運転免許取得に使える!対象となる免許の種類

人材育成支援コースで助成の対象となる運転免許は以下の通りです。業務に直接関連する免許の取得が条件となります。


対象免許

主な用途・運転できる車両

特に多い活用業種

準中型免許

2t・3tトラック など

物流・食品配送

中型免許

4tトラック、マイクロバス など

物流・建設資材輸送

大型免許

大型トラック、ダンプカー、大型バス など

物流・建設・引越し業

大型特殊免許

ショベルカー、フォークリフト、ホイールローダー など

建設・農業・港湾

けん引免許

トレーラー など

重量物輸送・物流

二種免許

タクシー、運転代行など旅客運送車両

旅客・観光・介護送迎

【助成対象】免許の種類と主な活用場面


❌ 対象外となる免許・ケース


普通自動車免許(AT・MT)    二輪免許(原付・普通二輪・大型二輪)    業務に直接関係しない目的での免許取得    適性検査のみの受講

物流・建設・農業などで活躍する特定技能外国人の業務範囲に関連する中型・大型・特殊免許が主な対象です。特定技能外国人の受け入れ業種との相性については、特定技能の対象分野についての解説記事もあわせてご覧ください。



3. 特定技能外国人も対象になる?


結論から言えば、雇用保険の被保険者であれば、特定技能外国人も人材開発支援助成金の対象になります。


人材開発支援助成金は、在留資格ではなく「雇用保険に加入しているかどうか」で対象を判断します。特定技能外国人は、週20時間以上勤務している場合、日本人と同様に雇用保険への加入が義務付けられており、要件を満たせば助成対象となります。


技能実習生との違い


技能実習生(研修・技能実習1号)は雇用保険の対象外となるケースが多く、人材開発支援助成金の対象にはなりません。特定技能外国人との大きな違いのひとつです。


在留資格別の対象可否まとめ

区分

雇用保険

助成金の対象

特定技能外国人(週20h以上)

加入義務あり

✅ 原則対象

技能実習生(技能実習2号・3号)

加入義務あり

✅ 対象になりうる

技能実習生(入国後講習中)

加入対象外

❌ 対象外

留学生(資格外活動・アルバイト)

条件付き

要確認


活用シーンの例



【活用事例】特定技能外国人 × 免許取得


  • 物流業で採用した特定技能外国人(自動車整備)に大型免許を取得させる

  • 建設業で採用した特定技能外国人に大型特殊免許を取得させ、重機オペレーターとして戦力化する

  • 農業分野の特定技能外国人に準中型免許を取得させ、農産物の輸送業務を任せる


✅ 特定技能外国人への免許取得支援は「定着」にもつながる 会社が免許取得を支援してくれることは、特定技能外国人にとって「長く働きたい職場」を選ぶ大きな理由になります。スキルアップの機会が用意されている企業は、採用競争においても優位に立ちやすいです。

特定技能外国人の採用・支援に関するご相談は、当社のサービスページからお気軽にどうぞ。



4. 助成金を受け取るための主な要件


助成金を受け取るための主な要件

人材育成支援コースの主な受給要件を整理します。細かい要件は対象労働者の雇用形態によって異なります。


企業側の要件(共通)


以下の要件をすべて満たす必要があります。


要件

1

雇用保険適用事業所の事業主であること

2

職業能力開発推進者を選任していること(事業所ごとに1名以上)

3

事業内職業能力開発計画を策定・従業員に周知していること

4

訓練期間中も適正な賃金を支払っていること

5

訓練後も対象労働者を事業主都合で解雇していないこと

6

必要書類を整備し、5年間保存していること

7

審査への協力・実地調査に対応できること

8

定期的なキャリアコンサルティングの実施を計画に定めていること(正規雇用被保険者が対象の場合)


訓練の要件(人材育成訓練の場合)


免許取得は「人材育成訓練(OFF-JT)」として申請します。主な要件は以下の通りです。

  • 実質的な訓練時間が10時間以上であること

  • 対象者の訓練受講時間が実訓練時間の8割以上であること

  • 業務に直接関連する免許であること


【免許取得申請】訓練の主な要件 ① ⏱ 訓練時間 実質的な訓練時間が10時間以上であること  ② 📊 受講率 受講者の訓練受講時間が実訓練時間の8割以上であること  ③ 💼 業務関連性 取得する免許が従業員の業務に直接関連していること

詳細は厚生労働省の公式パンフレット(令和7年度版 人材育成支援コースのご案内)でご確認ください。



5. 最新の助成額・助成率


令和7年4月の改正後の助成額・助成率は以下の通りです。


経費助成率

対象者

助成率(中小企業)

助成率(大企業)

正規雇用労働者(被保険者)

45%

30%

有期契約労働者など

60%

45%

有期実習型訓練・正社員転換後

75%

60%

※令和7年4月の改正により、有期実習型訓練では訓練修了後の正社員転換が支給要件となり、対象者の経費助成率が75%に引き上げられました。


賃金助成(1人1時間あたり)

企業区分

助成額(改正後)

中小企業

800円(改正前760円)

中小企業以外

400円(改正前380円)


訓練時間別・経費助成の上限金額

企業規模

10時間以上100時間未満

100時間以上200時間未満

200時間以上

中小企業

15万円

30万円

50万円

大企業

10万円

20万円

30万円


※1事業所・1年度あたりの助成上限は1,000万円です。


また、訓練後に対象労働者の賃金を5%以上引き上げた場合(賃金要件)や、資格手当を付与して賃金が3%以上上昇した場合(資格等手当要件)は、経費助成・賃金助成ともに加算措置が適用されます。


具体的な試算例(中小企業が特定技能外国人に大型免許を取得させる場合)


試算条件

対象者

特定技能外国人(雇用保険被保険者)1名

取得免許

大型免許(普通免許所持)

教習費用(経費)

40万円

訓練時間

約50時間

企業区分

中小企業(正規雇用労働者として申請)


助成金額の計算

項目

計算式

助成金額

経費助成(45%)

40万円 × 45%

18万円

賃金助成

50時間 × 800円

4万円

合計助成額

約22万円

企業の実質負担

40万円 − 18万円

約22万円(助成前比55%削減)



6. 申請の流れをSTEPで解説


申請の流れをSTEPで解説

全体スケジュールのイメージ



STEP1|職業能力開発推進者を選任する


社内で訓練を推進する担当者を選任する

人事・労務担当の部課長など、職業能力開発の企画・訓練の実施権限を持つ人物を、事業所ごとに1名以上選任します。経営者自身や人事担当者の兼任も可能です。選任後は社内に周知し、記録に残しておきましょう。


💡 複数事業所がある場合は、各事業所ごとに1名以上の選任が必要です。


STEP2|事業内職業能力開発計画を作成・周知する


自社の人材育成方針・目標・スケジュールを文書化する


労働組合または労働者の過半数を代表する者の意見を聞いたうえで策定し、従業員全員に周知することが必要です。どの職種にどのスキルを習得させるか、いつどのような方法で訓練を行うかなどを具体的に記載します。


💡 この計画は「会社全体の人材育成方針書」です。個別の訓練ごとの詳細はSTEP3の計画届に記載します。


STEP3|訓練開始の1か月前までに計画届を提出する


「職業訓練実施計画届(様式第1-1号)」を管轄労働局へ提出する

訓練開始日の1か月前までが提出期限です。以下の書類を合わせて提出してください。

・訓練別の対象者一覧(様式第3号)・事業所確認票(様式第14号)・雇用契約書(写)など、対象者の雇用状況を証明する書類・キャリアコンサルティングの規定が確認できる書類・訓練の実施内容を確認するための書類(カリキュラム・教習所との契約書など)


⚠️ 令和7年4月の改正で事前審査が廃止されました。届出制に変わりましたが、審査は支給申請時に行われます。要件を満たしているかの事前確認が以前より重要です。


STEP4|計画に沿って訓練を実施・記録を保管する


計画書通りに訓練を実施し、証拠書類を整備する

出席簿・受講記録・領収書・賃金台帳・出勤簿などを漏れなく保管してください。計画と実際の訓練内容にずれがないよう管理することが重要です。


⚠️ 訓練期間・対象者・訓練機関に変更が生じた場合は、速やかに「計画変更届」を提出してください。無断変更は助成対象外になる可能性があります。


STEP5|訓練終了後2か月以内に支給申請書を提出する


訓練終了の翌日から2か月以内に必要書類を提出する

主な提出書類は以下の通りです。

・支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)・支払方法・受取人住所届・支給申請書(様式第4号)・賃金助成および経費助成の内訳(様式第5号・第6号)・OFF-JT実施状況報告書(様式第8-1号)・出席簿・受講記録・領収書・賃金台帳(写)など


⚠️ 2か月の期限は厳守。訓練修了日が決まった時点でスケジュールをカレンダーに登録し、書類を早めに準備しましょう。


STEP6|審査を経て助成金を受け取る


労働局による審査を経て、指定口座に助成金が振り込まれる

通常、申請から2〜3か月程度で支給決定通知が届きます。書類に不備・疑義がある場合は追加書類の提出を求められることもあります。


💡 助成金は後払い(事後精算)のため、訓練費用の立替が必要です。助成金受け取りまで訓練開始から数か月〜半年以上かかることもあるため、資金繰りを事前に確認してください。


✅ 申請で絶対に守るべき2大ポイント ①「計画届」は訓練開始の1か月前までに提出する(後出し申請は一切認められない) ②「支給申請書」は訓練終了の翌日から2か月以内に提出する(1日でも遅れると受理されない)

電子申請は雇用関係助成金ポータルから可能です。



7. 活用するメリット



① 人材育成コストを大幅に削減できる


大型免許の取得には一般的に30万円前後の費用がかかります。助成金を活用すれば、その経費の最大70%(中小企業・正社員化要件を満たす有期実習型訓練の場合)が助成され、企業の自己負担を大きく抑えられます。複数名を同時に育成する場合はとくに効果的です。


② 特定技能外国人の戦力化・定着につながる


免許取得を支援することで、特定技能外国人が担える業務の範囲が広がります。外部委託していた業務を内製化できたり、輸送・配送業務を任せられるようになったりするなど、生産性向上に直結します。スキルアップの機会を提供することは、従業員のモチベーション向上・定着率改善にもつながります。


③ 企業の採用競争力が高まる


人材育成に積極的な企業は、求職者からの評価が高まります。特定技能外国人をはじめとした外国人材の採用においても、「入社後にスキルアップできる環境がある」ことは大きな訴求ポイントになります。

特定技能外国人の採用戦略については、当社の特定技能採用支援サービスもあわせてご確認ください。


8. よくある失敗事例と対策


よくある失敗事例と対策

❌ 失敗① 訓練開始後に計画届を提出しようとした

「まず訓練を始めて後から申請すれば良い」と思っていたら、申請自体が受理されなかったケース。計画届は訓練開始前に提出が必須です。


✅ 対策:免許取得を検討し始めた時点で、すぐに計画届の準備を開始する。「決めたらすぐ動く」が鉄則。



❌ 失敗② 提出期限を1日過ぎてしまった

繁忙期で書類準備が遅れ、計画届・支給申請書ともに期限を1日超過してしまい、不受理に。期限は1日でも厳守が必要です。


✅ 対策:訓練修了日が決まった段階で支給申請の期限(翌日から2か月以内)をカレンダーに登録。書類準備を早めにスタートする。


❌ 失敗③ 対象者と訓練内容が業務とミスマッチだった

事務職の従業員に大型免許を取得させようとしたが「業務との関連性がない」と判断され不支給に。雇用契約書の業務内容と免許が一致していることが重要。


✅ 対策:雇用契約書・業務内容説明書などで、対象免許を必要とする業務に実際に従事していることを事前に証明できるよう整備する。


❌ 失敗④「実質無料」の勧誘に乗ってしまった

教習所から「助成金が出るので実質無料」と言われ、キックバックありの契約を結んだ結果、「事業主が全額負担」の要件を満たさず不支給・返還請求に。


✅ 対策:費用は全額立替・後から国から助成金が振り込まれる、が正規の流れ。キックバック・ポイントバックがある業者とは契約しない。


❌ 失敗⑤ 書類・記録の管理が不十分だった

出席簿や受講記録が不十分で「訓練を実施した証明ができない」と判断され、せっかく訓練を終えたのに不支給に。記録は5年間の保存義務あり。


✅ 対策:出席簿・受講記録・領収書・賃金台帳を訓練開始前にフォーマットを整備し、訓練中は漏れなく記録する仕組みをつくる。


❌ 失敗⑥ 計画変更届を出し忘れた

訓練機関の変更・対象者の追加が生じたのに変更届を提出せず、そのまま訓練を実施。審査で「無断変更」と判断され不支給となったケース。


✅ 対策:計画に変更が生じた時点ですぐに労働局に連絡し、変更届の提出方法・期限を確認する。変更時は「まず連絡」を社内ルール化する。


9. まとめ


まとめ

人材開発支援助成金(人材育成支援コース)は、業務に関連する運転免許の取得に活用できる制度です。特定技能外国人も雇用保険被保険者であれば対象となるため、物流・建設・農業などで特定技能外国人を活躍させたい企業にとって有効な手段です。


令和7年4月の制度改正で手続きも簡素化され、これまで以上に活用しやすくなっています。ただし、要件確認・書類準備・スケジュール管理など、申請には一定の手間がかかります。


【今すぐ始める】実践チェックリスト


  • 取得させたい免許が助成対象かどうかを確認した

    大型・中型・準中型・大型特殊・けん引・二種が対象。普通自動車免許・二輪は対象外。


  • 対象従業員が雇用保険被保険者であることを確認した

    特定技能外国人は週20時間以上勤務で加入義務あり。在留資格ではなく保険加入の有無で判断。


  • 職業能力開発推進者を選任した

    事業所ごとに1名以上。人事・労務担当の部課長などが適任。選任後は社内周知と記録が必要。


  • 事業内職業能力開発計画を作成・周知した

    労働者代表の意見を聞いて策定し、全従業員に周知することが必須。


  • 訓練開始の1か月前までに計画届を提出した

    後出し申請は一切不可。提出期限を最優先でスケジュール管理する。


  • 出席簿・受講記録・領収書を整備・保管する準備をした

    5年間の保存義務あり。訓練前にフォーマットを準備して漏れなく記録する。


  • 支給申請の期限(訓練終了翌日から2か月以内)をカレンダーに登録した

    1日でも遅れると受理されない。訓練修了日が決まった時点ですぐに登録する。


📌 この記事のポイントまとめ 人材開発支援助成金(人材育成支援コース)で、中型・大型・大型特殊・けん引・二種免許などの取得費用を助成できる(普通自動車免許・二輪は対象外) 特定技能外国人も雇用保険被保険者であれば対象。在留資格ではなく保険加入の有無で判断する 2025年4月の改正で賃金助成が800円/時(中小企業)に引き上げ、申請手続きも簡素化 中小企業の経費助成率は45〜75%。大型免許(教習費40万円)なら約22万円の助成が試算される 申請の鉄則は「計画届は訓練開始1か月前まで」「支給申請は訓練終了翌日から2か月以内」の2点 よくある失敗は後出し申請・期限超過・業務関連性の不備・キックバック業者の利用・書類不備の5パターン 助成金は後払い(事後精算)方式。立替資金の準備と資金繰りの確認が必要

特定技能外国人の採用・受け入れサポートから、免許取得のような人材育成まで、私たち特ドラワークスでは一気通貫でご相談をお受けしています。助成金の活用と合わせて、ぜひお気軽にお問い合わせください。




参考資料

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