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外国人ドライバーの給料はいくら?日本人との違いと設定の注意点

  • 7月3日
  • 読了時間: 8分
外国人ドライバーの給料はいくら?日本人との違いと設定の注意点

外国人ドライバーを雇うとき、給料をいくらに設定すればよいのか。先に押さえておきたいのは、特定技能では「日本人と同等以上」の待遇が在留資格の要件だということです。外国人だからといって相場より安く設定することはできません。安すぎる給料は在留資格が許可されない理由になり、採れても早期離職を招きます。


大型・中型・小型の車種別相場、同等報酬の判断のしかた、手当や賞与の扱い、給与に支援費や免許費まで含めた採用の総コスト、そして昇給とキャリアで定着させる考え方まで、許可と定着の両面で成り立つ給与設計を整理します。給与額は、出典や調査年によって幅があります。


📋 目次


1.給料は「日本人と同等以上」が要件


外国人ドライバーの給料は、外国人だからといって安く設定できません。特定技能では、同じ業務に就く日本人と同等以上の待遇が在留資格の要件です。相場を踏まえた公正な給与設計が、在留資格の許可と、入社後の定着の両面で欠かせません。


先に押さえる3点      同等以上が要件:日本人と同等以上の待遇でなければ、在留資格が許可されない    相場が基準:外国人だけ別水準にはできない。日本人ドライバーの相場が基準になる    公正さが定着にも効く:安く設定すると、早期離職や転職につながる

では、その「同等以上」の基準になるトラックドライバーの相場は、どのくらいか。車種ごとに数字で押さえます。


2.車種別の給与相場|大型・中型・小型


車種別の給与相場|大型・中型・小型

トラックドライバーの給料は、運転する車種で差があります。大きく重い車を扱うほど、求められる免許や責任が上がり、給料も高くなる傾向です。厚生労働省の統計をもとにした相場の目安を整理します。


約492万円  大型の平均年収(令和6年・厚労省)  約37.7万円  大型の平均月収  約438万円  中型の平均年収(令和5年・厚労省)  約38万円  賞与(年2回)の目安

車種別の相場の目安

車種

年収の目安

月収の目安

必要な免許

大型

約450〜600万円(平均約492万円)

約37万円前後

大型免許

中型

約400〜480万円(平均約438万円)

固定給 約30〜35万円

中型・準中型免許

小型

中型より低めの傾向

地域・荷種で幅

普通・準中型免許

運行・地域・経験で大きく動く


同じ車種でも、長距離や夜間の運行は年収が50〜100万円ほど高くなる傾向があります。都市部と地方、経験年数、荷種によっても差が出ます。賞与は年2回で平均38万円ほどが一つの目安です。これらは出典や調査年で幅があるため、目安として捉え、自社の地域や運行に合わせて確認してください。


いちばんの基準は「自社の日本人ドライバーの実額」  公的統計の数字は、相場感をつかむための目安です。実際に同等報酬を判断するときは、自社で支払っている同じ業務の日本人ドライバーの実額が直接の基準になります。統計より、まず自社の賃金台帳を見てください。

3.「外国人だから安く」はできない


給料を相場より低く設定することは、制度のうえでできません。特定技能は日本人と同等以上が要件で、これを満たさなければ在留資格が許可されず、雇用そのものが成り立たなくなります。


外国人ドライバーは、相場より安く設定できる  特定技能の外国人には、同じ業務の日本人と同等以上の報酬が義務づけられています。相場より安い設定は、在留資格の審査で「同等報酬要件を満たさない」と判断され、許可されません。人件費を抑える手段として外国人を考えると、この時点で計画が崩れます。

給料は、会社が自由に決めてよい  在留資格の審査では、報酬が日本人と同等以上かを確認されます。申請時には、報酬に関する説明書で同等性を示す必要があります。「いくらでもよい」のではなく、根拠を持って同等以上に設定し、説明できることが求められます。  では、その「同等以上」を自社ではどう判断すればよいのか。比較の手順が決まっています。


4.同等報酬の判断方法|自社にどう当てはめるか


同等報酬の判断方法|自社にどう当てはめるか

給料をいくらにすべきかは、自社の状況で決まります。賃金規定があるか、同じ業務の日本人がいるか。この順番で比較対象を探し、その水準と同等以上にします。


1  賃金規定があれば、それに従う  社内の賃金規定があるなら、その規定にもとづいて金額を決めます。これが最も分かりやすい基準です。  2  同じ業務の日本人と比べる  規定がなく、同じ業務の日本人ドライバーがいるなら、その人と同等以上にします。  3  近い業務の人と比べて合理的に説明する  同じ業務の日本人もいない場合は、近い業務の人の役職・責任・年齢・経験を踏まえ、報酬差が合理的に説明できる額にします。

手当・賞与も「同等以上」に  同等以上は、基本給だけの話ではありません。比較対象の日本人に手当や賞与が出ているなら、外国人ドライバーにも同等以上に支給する必要があります。基本給だけそろえて手当を外す、という設計は要件を満たしません。申請時には報酬に関する説明書で、この同等性を示します。


5.給与設計の注意点|手当・賞与・手取り


給与は、基本給だけでなく手当・賞与・残業の扱いまで含めて設計します。2024年問題で残業に頼れなくなり、基本給や手当の水準が以前より重要になっています。


「残業で稼ぐ」前提の設計は崩れた


2024年4月にトラック運転手の時間外労働へ上限規制が適用され、残業で年収を積み上げるモデルは成り立ちにくくなりました。残業前提で額面を作っていると、実際の手取りが想定より下がり、不満や離職につながります。基本給と手当で、無理なく成り立つ設計にしてください。


手取りと、母国への送金


外国人ドライバーの多くは、母国の家族への送金を目的に働いています。額面だけでなく、税や社会保険を引いた手取りで、生活と送金が成り立つかを意識すると、定着につながります。手取りが想定より少ないと、より高い手取りを求めて他社へ移る動機になります。最低賃金を下回らないことも当然の前提です。


  • 基本給・手当を同等以上に残業頼みにせず、基本給と手当で水準を確保する

  • 賞与も比較対象に合わせる日本人に賞与があれば、同等以上に支給する

  • 手取りで考える生活+送金が成り立つ手取りか確認する

  • 最低賃金を下回らない地域の最低賃金は当然の下限


6.採用の総コストで見る|給与だけではない


採用の総コストで見る|給与だけではない

外国人ドライバーの採用は、給与のほかにも費用がかかります。登録支援機関への委託費、採用にかかる費用、免許の取得費用などです。給与だけを見て「安い」と考えると、総額で見たときに見込みが狂います。


💴 採用にかかる費用の構成(考え方の一例)  給与(日本人と同等以上)相場どおり・安くできない  登録支援機関への委託費月2.5〜3.5万円/人 程度  採用・紹介にかかる費用採り方により幅がある  免許(外免切替・教習)20〜30万円 程度  総コストの考え方給与+支援+採用+免許の積み上げ

金額は会社や状況で変わるため、ここで示すのは構成の考え方です。給与が日本人と同等で、さらに支援費などが上乗せされるため、「外国人なら安く済む」という前提は成り立ちません。一方で、長く働いてもらえれば、こうした初期コストは時間をかけて回収できます。短期の安さでなく、中長期の戦力として採算を考えるのが現実的です。


「安いから外国人」は出発点を間違える  人件費の削減を目的にすると、同等報酬要件と支援コストの両方で前提が崩れます。外国人ドライバーは、安く雇うための手段ではなく、人手不足のなかで中長期に戦力を確保するための選択肢だと捉えてください。

7.昇給とキャリアで定着させる


給与は、入社時の額だけでなく、その先の見通しが定着を左右します。特定技能1号は通算で最長5年。要件を満たせば特定技能2号へ進み、さらに長く働く道もあります。昇給やキャリアの道筋を示せるかが、長く活躍してもらえるかの分かれ目です。


「何年でいくら上がるか」を見せる


入社時の給料が相場どおりでも、その後の見通しがなければ、より良い条件の会社へ移る動機が生まれます。無事故・無違反の継続、扱える車両区分の拡大、経験に応じた昇給など、「ここで続けると、こう上がる」という道筋を最初に共有してください。先が見えることが、定着の土台になります。


2号への道を一緒に描く


特定技能2号に進めれば、在留期間の上限がなくなり、より長く働けます。全員がすぐ対象になるわけではありませんが、本人のキャリアとして2号への挑戦を支える姿勢を見せると、会社への信頼につながります。給与とキャリアをセットで設計することが、採用コストを回収しやすくする鍵です。


公正な給与は「定着への投資」  相場どおりに支払い、昇給の見通しを示すことは、コストではなく投資です。1人に長く活躍してもらえれば、採用や育成のやり直しを避けられ、結果として安く済みます。安く設定して何度も採り直すより、はるかに効率的です。

8.安く設定するリスク|許可と定着の両面で損する


安く設定するリスク|許可と定着の両面で損する

給料を安く設定すると、二重に損をします。在留資格が許可されず採用できない、または更新できない。仮に採れても、待遇への不満から早期に離職・転職されます。

安く設定すると…

起きること

許可の面

同等報酬要件を満たさず、在留資格が許可されない・更新できない

定着の面

待遇に不満を持たれ、より良い条件の会社へ早期に転職される

コストの面

採用や育成のやり直しで、初期投資が無駄になり結局は高くつく

安く抑えたつもりが、許可も人も失い、採り直しの費用までかかる。公正な給与は、コストではなく、許可と定着を確保するための前提です。



9.やりがちな失敗


給与設定での思い違いが、不許可や離職を招きます。下の5つは特に多い失敗です。


相場より安く設定する  同等報酬要件を満たさず、在留資格が許可されない。  → 自社の日本人の実額を基準に同等以上で  基本給だけそろえ手当を外す  手当・賞与の同等性を欠き、要件を満たさない。  → 手当・賞与も比較対象に合わせる  残業前提で額面を作る  2024年問題で残業が減り、手取りが想定を下回る。  → 基本給・手当で成り立つ設計にする  給与だけ見て総コストを見ない  支援費や免許費を見落とし、採算の見込みが狂う。  → 給与+支援+採用+免許で総額を見る  昇給の見通しを示さない  先が見えず、より良い条件の会社へ移られる。  → 何年でいくら上がるかを最初に共有

10.よくある質問(FAQ)


よくある質問(FAQ)

外国人ドライバーの給料は、日本人と同じですか?

同等以上が要件です。同じ業務の日本人と同等以上の水準にする必要があり、外国人だけ安くはできません。相場は大型で年収約492万円、中型で約438万円ほどが目安です(出典・年で幅あり)。


手当や賞与も支給しないといけませんか?


比較対象の日本人に手当や賞与が出ているなら、外国人ドライバーにも同等以上に支給する必要があります。基本給だけ合わせて手当を外す設計は、要件を満たしません。


比較する日本人ドライバーが社内にいない場合は?


賃金規定があれば規定に従います。規定も同業務の日本人もいない場合は、近い業務の人の役職・年齢・経験を踏まえ、報酬差が合理的に説明できる額にします。


手取りはどのくらいになりますか?


額面から税や社会保険が引かれます。具体額は給与や控除で変わるため一概には言えませんが、母国送金を目的にする人が多いため、手取りで生活と送金が成り立つかを意識すると定着につながります。


給与のほかに、どんな費用がかかりますか?


登録支援機関への委託費(月2.5〜3.5万円程度)、採用・紹介の費用、免許の取得費用(外免切替で20〜30万円程度)などが目安です。給与だけでなく総額で採算を考えてください。


安く設定すると、どうなりますか?


在留資格が許可されない、または更新できなくなります。仮に採れても、待遇への不満から早期に離職・転職される可能性が高く、採り直しの費用も含めて、結局は高くつきます。


11.まとめ|給与設計の手順


外国人ドライバーの給料は、相場を踏まえて日本人と同等以上に設計します。安く抑えようとすると、許可も定着も失います。次の順で進めてください。


給与設計の手順

  1. 「日本人と同等以上」が在留資格の要件だと理解する

  2. 車種別の相場(大型 約492万円/中型 約438万円が目安)を押さえる

  3. 賃金規定→同業務の日本人→近い業務の人、の順で比較対象を決める

  4. 基本給だけでなく、手当・賞与も同等以上にする

  5. 残業前提にせず、手取りで生活と送金が成り立つ設計にする

  6. 給与に支援費・採用費・免許費を加えた総コストで採算を見る

  7. 昇給と2号への道筋を示し、長く活躍してもらう前提で設計する

  8. 個別の給与設計は、社労士や登録支援機関に確認する


公正な給与は、人件費を増やすコストではなく、在留資格の許可と人材の定着を確保するための前提です。相場どおりに同等以上で設計し、昇給の見通しまで示すことが、結果として採用と定着を成功させる近道になります。



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