特定技能「自動車運送業」完全ガイド|トラック・タクシー・バスドライバー採用の要件と実践ノウハウ
- 高橋 壮
- 18 時間前
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目次:
2024年3月の閣議決定により、特定技能制度に「自動車運送業」分野が新たに追加されました。運送業界は深刻な人手不足に直面しており、令和7年度の求人倍率は2.77倍と全産業平均の約2倍に達しています。
5年後には約28万8,000人もの人手不足が見込まれており、その内訳はトラック運送業で約20万人、タクシー運送業で約6万7,000人、バス運送業で約2万2,000人です。
関連記事:トラックドライバーの働き方を巡る状況
インターネット通販の需要増加による物流量の増大に加え、2024年4月から施行された時間外労働上限規制(いわゆる2024年問題)の影響で、人手不足はさらに深刻化しています。こうした状況を受け、特定技能外国人ドライバーの受け入れが業界の大きな希望となっています。
本記事では、特定技能「自動車運送業」の制度概要から申請要件、採用フロー、費用、成功事例まで、実務に必要な情報を網羅的に解説します。
1. 特定技能「自動車運送業」とは?
特定技能制度は、2019年4月に創設された外国人労働者受け入れのための在留資格です。少子高齢化により深刻化する労働力不足を解消するため、一定の技能と専門性を持った外国人材を即戦力として雇用することを目的としています。
当初は12分野のみが対象でしたが、2024年3月の閣議決定により「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野が新たに追加されました。
自動車運送業分野が追加された背景
運送業界では以下の深刻な問題が顕在化しています。
人手不足の深刻化
求人倍率2.77倍(全産業平均1.18倍の約2倍超)
1人の求職者に対して2.77件の求人がある状態
求人を出しても人が集まらない
ドライバーの高齢化
ベテランドライバーの引退が相次ぐ
若手ドライバーの採用が困難
技術継承が難しい
EC市場の拡大
インターネット通販の需要が急増
宅配便取扱個数の増加
配送ニーズの多様化
2024年問題の影響
2024年4月から時間外労働の上限規制が適用
これまでの長時間労働での対応が不可能に
輸送能力の大幅な減少懸念
これらの課題を解決するため、トラック運送業、タクシー運送業、バス運送業の3業種で特定技能外国人の受け入れが可能になりました。
制度の基本情報
項目 | 内容 |
対象業種 | トラック運送業、タクシー運送業、バス運送業 |
在留資格 | 特定技能1号のみ(2号は対象外) |
在留期間 | 最長5年(更新の可能性あり) |
雇用形態 | 直接雇用・フルタイムのみ(派遣不可) |
2. 業種別:従事可能な業務内容

特定技能「自動車運送業」で受け入れる外国人ドライバーには、事業用自動車の運転と、それに付随する業務全般に従事させることが可能です。「付随する業務」とは、その会社に雇用されている日本人ドライバーが通常業務として行う内容を指します。
従事可能な業務の基本
事業用自動車の運転
上記に付随する業務全般
業種別の詳細
トラック運送業
主な業務
業務区分 | 内容 |
運行業務 | 貨物自動車運送事業における運転業務 |
荷役業務 | 貨物の積み下ろし、荷崩れ防止のための積付け |
具体的な業務内容
運行前後の車両点検
安全な運行の実施
乗務記録の作成
運行管理者の指導・監督の下での業務遂行
必要な免許
第一種運転免許(普通・準中型・中型・大型)
タクシー運送業
主な業務
業務区分 | 内容 |
運行業務 | 一般乗用旅客自動車運送事業における運転業務 |
接遇業務 | 乗客対応、顧客サービス |
具体的な業務内容
運行前後の車両点検
安全な運行の実施
乗務記録の作成
乗客への丁寧な対応と接客サービス
必要な免許
第二種運転免許(普通二種)
バス運送業
主な業務
業務区分 | 内容 |
運行業務 | 乗合・貸切・特定旅客自動車運送事業における運転業務 |
接遇業務 | 乗客対応、安全案内 |
具体的な業務内容
運行前後の車両点検
安全な運行の実施
乗務記録の作成
乗客への案内・対応、車内アナウンス
必要な免許
第二種運転免許(大型二種)
業種別比較表
業種 | 主な業務 | 必要免許 | 日本語レベル |
トラック | 運行・荷役 | 第一種 | N4以上またはJFT-Basic |
タクシー | 運行・接遇 | 第二種(普通二種) | N3以上 |
バス | 運行・接遇 | 第二種(大型二種) | N3以上 |
タクシーやバスは乗客との直接的なコミュニケーションが必要なため、トラックよりも高い日本語能力が求められます。
3. 外国人本人の申請要件

特定技能「自動車運送業」で働くためには、外国人本人が以下の要件を満たす必要があります。
要件①:技能水準の証明
以下のいずれかを満たすこと。
自動車運送業分野特定技能1号評価試験に合格
トラック、タクシー、バスそれぞれの試験がある
学科試験+実技試験
2024年12月から試験開始
技能実習2号を良好に修了(トラックのみ)
技能実習2号を良好に修了した方は試験免除
他の分野で技能実習2号を修了した方も対象
要件②:日本語能力の証明
業種によって求められる日本語レベルが異なります。
トラック運送業の場合
日本語能力試験(JLPT)N4以上に合格
または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)に合格
タクシー・バス運送業の場合
日本語能力試験(JLPT)N3以上に合格
日本語試験の免除規定 技能実習2号を良好に修了した方は、トラック分野についてのみ日本語試験が免除されます。他の分野で技能実習2号を修了した方も対象となります。
要件③:運転免許の取得
日本の運転免許証が必須です。
職種 | 必要な免許 |
トラック | 第一種運転免許(普通・準中型・中型・大型など業務内容に応じて) |
タクシー・バス | 第二種運転免許 |
その他の基本要件
18歳以上であること
健康状態が良好であること
退去強制された経歴がないこと
素行が善良であること
4. 受入れ企業の要件

特定技能外国人を受け入れる企業は、以下の要件を満たす必要があります。運送業界では、安全性と労務管理の観点から業界特有の厳しい要件が設けられています。
要件①:自動車運送事業者であること
道路運送法第2条第2項に規定する「自動車運送事業を経営する事業者」であることが必要です。
要件②:認証制度の取得(最重要)
以下のいずれかの認証を取得している必要があります。これが最も重要かつ時間のかかる要件です。
働きやすい職場認証制度
職場環境改善に向けた取り組みを「見える化」し、求職者の就職を促進することを目的とした制度です。
認証要件 以下の6分野について基本的な取組要件を満たす必要があります。
法令遵守等
労働時間・休日
心身の健康
安心・安定
多様な人材の確保・育成
自主性・先進性
申請条件
運送事業許可取得後3年以上経過していること
申請スケジュール
年2回の申請期間がある
2024年度の例:4月16日〜5月31日、7月1日〜9月15日
有効期限
有効期限があり、定期的な更新が必要
実施主体
一般財団法人日本海事協会
安全性優良事業所(Gマーク)
トラック事業者は「働きやすい職場認証制度」の代わりに「Gマーク制度」の認証取得でも要件を満たすことが可能です。
制度の概要 輸送の安全確保に積極的に取り組んでいる事業所を認定する制度です。
認証要件として以下の3つの分野について認定要件をクリアする必要があります。
安全性に対する法令の遵守状況
事故や違反の状況
安全性に対する取組の積極性
申請条件
運送事業許可取得後3年以上経過していること
配置する事業用自動車の数が5台以上等
申請スケジュール
年1回(7月のみ)
事業所単位での取得
Gマークは事業所単位での取得ですが、同法人内であれば外国人を受け入れる事業所以外で保有している場合も可能
どちらを選ぶべきか
対象 | 選択肢 | 注意点 |
トラック事業者 | 働きやすい職場認証またはGマーク | 申請タイミングに注意 |
タクシー・バス事業者 | 働きやすい職場認証のみ | 年2回の申請機会 |
重要な注意点
認証制度取得には運送事業許可から3年以上必要
申請タイミングを逃すと最長1年待つことになる
特定技能外国人の採用を検討し始めたら、まず認証制度の確認と取得準備を開始すべき
要件③:日本標準産業分類への該当
以下のいずれかに該当する必要があります。
「43道路旅客運送業」
「44道路貨物運送業」
要件④:協議会への加入
「自動車運送業分野特定技能協議会」に加入する必要があります。
加入のタイミング
在留資格申請前までに加入が必要
協議会の設置状況
2025年1月時点では協議会の設置時期は未定
設置された場合は、法務省出入国在留管理庁のホームページで公表される予定
要件⑤:新任運転者研修の実施
業種に応じた研修の実施が義務付けられています。
職種 | 必要な研修 |
トラック | 初任運転者研修(国土交通省告示) |
タクシー・バス | 新任運転者研修 |
5. 技能評価試験と日本語試験

自動車運送業分野特定技能1号評価試験
外国人が特定技能「自動車運送業」で働くためには、「自動車運送業分野特定技能1号評価試験」に合格する必要があります(技能実習2号修了者を除く)。
試験の基本情報
項目 | 内容 |
実施主体 | 一般財団法人日本海事協会 |
申請受付開始 | 2024年12月4日 |
試験開始 | 2024年12月16日(出張方式先行) |
試験の実施方式
試験方式 | 内容 |
出張方式 | 企業が希望する会場でペーパーテストを実施 |
CBT方式 | テストセンターでコンピュータを使用して実施 |
試験内容
学科試験+実技試験
試験言語:日本語(タクシー・バスは第二種免許関連部分に現地語併記)
受験料
項目 | 費用・内容 |
国内受験 | 5,000円(税抜) |
海外受験 | 37米ドル |
合格証明書発行手数料 | 14,000円(税抜) |
出張試験の場合 | 試験監督者1名分の旅費・宿泊費を企業が負担 |
業種別の出題内容
職種 | 研修内容 |
トラック | 運行業務・荷役業務等に関する内容 |
タクシー | 運行業務・接遇業務等に関する内容 |
バス | 運行業務・接遇業務等に関する内容 |
日本語試験
特定技能「自動車運送業」で働くためには、十分な日本語能力が求められます。
業種別の必要レベル
業種 | 必要な日本語レベル |
トラック | JLPT N4以上またはJFT-Basic合格 |
タクシー | JLPT N3以上 |
バス | JLPT N3以上 |
JLPT(日本語能力試験)
N4:基本的な日本語を理解することができる
N3:日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる
実施頻度:年2回(7月・12月)
受験料:約5,500円
JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)
トラック運送業のみ利用可能
250点満点中200点以上で合格
日本国内のテストセンターではほぼ毎日実施
受験機会が非常に多い
受験料:約7,000円
日本語試験の免除規定 技能実習2号を良好に修了した方は、トラック分野についてのみ日本語試験が免除されます。
6. 運転免許の取得方法

特定技能「自動車運送業」で働くためには、日本の運転免許証が必須です。取得方法は主に2つあります。
方法①:日本の自動車教習所で取得
通常の取得方法
トラックの場合
教習所で第一種運転免許を取得
大型免許の受験資格:21歳以上・運転経験3年以上
タクシーの場合
まず第一種免許を取得
3年間の運転経験を経て第二種普通免許を取得
バスの場合
まず第一種免許を取得
大型二種免許の受験資格:21歳以上・運転経験3年以上
受験資格特例教習(重要制度)
通常の受験資格要件を大幅に緩和できる制度です。
通常の受験資格
区分 | 受験資格 |
大型 | 21歳以上・普通免許等保有3年以上 |
中型 | 20歳以上・普通免許等保有2年以上 |
第二種 | 21歳以上・普通免許等保有3年以上 |
特例教習受講後の受験資格
19歳以上・普通免許等保有1年以上に短縮可能
教習内容
学科+技能教習を計36時限受講
修了後、修了証明書が交付される
この制度を活用することで、若い外国人材でも早期にドライバーとして活躍できます。
外国語受験
2024年6月から、運転免許の学科試験が20言語から選択可能になりました。これは第二種運転免許の学科試験や、外国免許を切り替える際の知識確認問題にも対応しています。
対応言語 英語、中国語、ベトナム語、ネパール語、スペイン語、ペルシャ語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、タイ語、タガログ語、インドネシア語、クメール語、ミャンマー語、モンゴル語、ウクライナ語、シンハラ語、ウルドゥー語、アラビア語、ヒンディー語
費用の目安
項目 | 費用目安 |
教習所費用(通学) | 25万円〜35万円 |
教習所費用(合宿) | 20万円〜30万円 |
申請・手数料 | 約3,800円 |
合計 | 約25万円〜40万円 |
方法②:外国免許の切替(外免切替)
海外で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替える制度です。
外免切替の条件
有効な外国の運転免許証を所持していること
外国免許証取得後、取得国での滞在が通算3か月以上あること
住民票の写しを添付すること(2025年10月から必須)
知識確認・技能確認 外免切替の際は、原則として知識確認と技能確認が行われます。
項目 | 内容 |
知識確認 | 日本の基本的交通ルール |
技能確認 | 場内コースでの走行 |
知識・技能確認が免除される29か国
アイスランド、アイルランド、アメリカ合衆国(7州のみ)、イギリス、イタリア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、韓国、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ニュージーランド、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、モナコ、ルクセンブルク、台湾
重要な注意点
現在、特定技能1号での在留数が多いベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマーは免除の対象となっていません。これらの国出身者は知識確認・技能確認が必要です。
知識確認の対応言語
日本語、英語、中国語、ベトナム語、ポルトガル語、スペイン語、タイ語、タガログ語、ロシア語、ペルシャ語、韓国語、インドネシア語、クメール語、ネパール語、ミャンマー語、モンゴル語、ウクライナ語、シンハラ語、ウルドゥー語、アラビア語、ヒンディー語等
費用の目安
項目 | 費用 |
申請手数料 | 3,800円 |
知識確認料 | 1,550円程度 |
合計 | 約5,000円〜10,000円 |
海外在住者の場合
海外に居住している外国人の場合でも、在留資格申請のために日本の運転免許を取得する必要があります。そのため、在留資格「特定活動」での在留が認められています。
特定活動の在留期間
職種 | 最大就労可能期間(特定活動) |
バス・タクシードライバー | 最長1年間 |
トラックドライバー | 最長6ヶ月間 |
重要な注意点 特定活動の在留期間を延長することはできません。特定活動期間中に日本の運転免許取得や新任運転者研修の受講を終える必要があります。
特定活動期間中の業務 特定活動での在留期間中は、受入れ企業で車両清掃などの関連作業に従事することも可能です。
免許取得方法の比較表
取得方法 | 費用 | 期間 | メリット | デメリット |
教習所 | 25〜40万円 | 2〜3ヶ月 | 確実に取得可能 | 高コスト・時間がかかる |
外免切替(免除国) | 5,000円〜 | 1〜2週間 | 低コスト・短期間 | 対象国が限定される |
外免切替(非免除国) | 5,000円〜 | 1〜2ヶ月 | 低コスト | 試験に合格する必要あり |
7. 採用フローと費用

採用フロー
特定技能「自動車運送業」は、運転免許証の取得が要件となっているため、免許の有無によって手続きの流れが大きく異なります。
パターン①:日本の運転免許証を持っている場合
採用検討・人材紹介会社等への相談(開始時)
求人内容確定・募集開始(1〜2ヶ月)
選考・内定・雇用契約締結
協議会への加入
在留資格認定証明書申請(1〜3ヶ月)
(海外在住の場合)査証手続き
入国・入社(1週間〜1ヶ月)
新任運転者研修実施(1〜2週間)
業務開始
所要期間:約6ヶ月以上
パターン②:日本の運転免許証を持っていない場合
採用検討・募集(1〜2ヶ月)
特定活動での在留資格申請(1〜2ヶ月)
入国(特定活動)(1週間)
運転免許取得(教習所2〜3ヶ月、外免切替1〜2ヶ月)
新任運転者研修実施(1〜2週間)
特定技能1号への在留資格変更申請(1〜2ヶ月)
業務開始
所要期間:約10〜13ヶ月
費用の目安
初期費用(1人あたり)
技能評価試験関連
項目 | 費用 |
受験料(国内) | 5,000円 |
受験料(海外) | 37米ドル |
合格証明書発行手数料 | 14,000円 |
出張試験の場合 | 試験監督者1名分の旅費・宿泊費 |
日本語試験関連
試験 | 受験料 |
JLPT | 約5,500円 |
JFT-Basic | 約7,000円 |
運転免許取得関連
コース | 費用目安 |
教習所コース | 25万円〜40万円 |
外免切替コース | 5,000円〜10,000円 |
在留資格申請関連
項目 | 費用 |
在留資格認定証明書交付申請 | 無料 |
行政書士委託費用(任意) | 5万円〜15万円 |
入国・生活立ち上げ支援
項目 | 費用目安 |
航空券(海外在住の場合) | 5万円〜15万円 |
住居初期費用(敷金・礼金等) | 10万円〜30万円 |
生活用品購入 | 5万円〜10万円 |
認証制度取得費用(企業側)
制度 | 費用内容 |
働きやすい職場認証 | 申請料約5万円+準備費用 |
Gマーク | 申請料約1万円+準備費用 |
初期費用合計(免許取得ルート別)
免許取得ルート | 初期費用概算 |
教習所で取得 | 約80万円〜120万円 |
外免切替(免除国) | 約50万円〜80万円 |
外免切替(非免除国) | 約60万円〜90万円 |
月々の運用コスト
給与・手当
基本給:地域・業種により異なる
重要:日本人ドライバーと同等以上の待遇が必要
登録支援機関への委託費用(任意)
月額2万円〜4万円程度
社会保険・労働保険
通常の従業員と同様に加入
その他
通訳費用(必要に応じて)
継続的な研修費用
8. 支援義務と注意点

特定技能外国人への支援義務
受入れ企業は、特定技能外国人に対して、職業生活上、日常生活上または社会生活上の支援を実施する義務があります。
法定支援(10項目)
事前ガイダンスの実施
出入国送迎の支援
住居確保・生活契約支援
生活オリエンテーションの実施
公的手続等への同行
日本語学習機会の提供
相談・苦情対応
日本人との交流促進
転職支援(企業都合の場合)
定期的面談・行政機関への通報
支援の実施方法
自社で実施する場合
メリット:コスト抑制、ノウハウ蓄積
デメリット:体制整備に労力、専門知識が必要
登録支援機関に委託する場合
メリット:専門的サポート、母国語対応確実
デメリット:月額2万円〜4万円の委託費用
推奨:外国人受入れ実績がない場合
採用時の注意点
①期間とコストの見積もり
認証制度取得に時間がかかる(申請年2回または1回)
免許取得方法で期間・費用が大きく変わる
余裕を持った採用計画が重要
②安全運転教育の徹底
ベテランドライバーとのペア配置
段階的な業務アサイン(近距離→中距離→長距離)
継続的な安全運転研修
デジタルタコグラフの活用
③言語コミュニケーション
簡単な日本語+ジェスチャー
翻訳アプリの導入(Google翻訳、ポケトーク等)
図解マニュアルの作成
定期的な母国語面談(月1回推奨)
④文化・宗教への配慮
礼拝時間・スペースの確保(イスラム教徒)
食事制限への理解(ハラール食品等)
既存社員への異文化理解研修
入社時オリエンテーションの徹底
9. 成功事例

事例①:地方の中小トラック会社(従業員30名)
採用内容:ベトナム人ドライバー2名
成功のポイント
既存ドライバーによる手厚いOJT(3ヶ月間1対1指導)
社員寮提供で生活全般をサポート
登録支援機関による月1回の母国語面談
成果
配送体制の安定化、遅延ゼロ
既存ドライバーの負担軽減、離職率改善
職場に活気、2年目には追加採用を計画
事例②:都市部のタクシー会社(従業員150名)
採用内容:フィリピン人ドライバー3名
成功のポイント
接客研修の徹底(日本式マナー、ロールプレイング)
外国人観光客対応への優先配車
登録支援機関への全面委託で負担軽減
成果
外国人観光客から高評価、SNSで口コミ拡散
多言語対応タクシーとしてメディア掲載
売上前年比10%増
事例③:大手物流企業(従業員500名以上)
採用内容:複数国籍10名(ベトナム5名、インドネシア3名、ミャンマー2名)
成功のポイント
専任の外国人サポート担当を配置
段階的な配属計画(地域→中距離→長距離)
全社員向け異文化理解研修
成果
2024年問題による輸送能力減少を最小限に抑制
ダイバーシティ推進企業として業界紙・テレビ掲載
新卒採用でも「多様性がある会社」として評価され応募者増加
成功企業の5つの共通点
取り組み項目 | 内容 |
経営層のコミットメント | トップが重要性を理解し、予算・人員を確保 |
受入れ体制の事前整備 | 住居、研修、マニュアルなどを事前準備 |
既存社員への理解促進 | 異文化理解研修、OJT体制の構築 |
継続的なコミュニケーション | 定期面談、母国語相談窓口の設置 |
専門家の活用 | 人材紹介会社・登録支援機関との連携 |
10. まとめ

採用成功の3つのポイント
ポイント①:早めの準備開始
課題・ポイント | 内容 |
認証制度取得の時間 | 運送事業許可から3年以上+申請タイミングで長期化 |
採用〜就労までの期間 | 最低6ヶ月以上かかる |
早期対応の重要性 | 人手不足が深刻化する前に動き出す必要がある |
ポイント②:適切な免許取得ルートの選択
判断ポイント | 内容 |
出身国確認 | 免除国29か国に該当するか確認 |
免除国の場合 | 外免切替が有利(低コスト・短期間) |
非免除国の場合 | 外免切替の費用対効果を検討 |
教習所ルート | 確実だが高コスト |
ポイント③:専門家の活用
役割 / サービス | 内容 |
人材紹介会社 | 採用から免許取得支援まで対応 |
登録支援機関 | 法定支援の実施により企業負担を大幅軽減 |
行政書士 | 在留資格申請手続きの代行 |
外部サービス活用 | 本業に集中できる体制を構築 |
特定技能「自動車運送業」には業界特有の要件があり、慎重な対応が必要です。しかし、適切な準備と専門家のサポートがあれば、外国人ドライバーの採用は決して難しくありません。深刻な人手不足に直面する運送業界にとって、特定技能外国人ドライバーの受け入れは事業継続と成長のための重要な戦略です。
特ドラWORKS(トクドラワークス)は、特定技能ドライバーの採用から定着まで一貫してサポートいたします。
人材紹介、免許取得支援、登録支援機関としての法定支援、在留資格申請サポート、採用後の定着支援まで、貴社の人材確保をしっかりとサポートいたします。
まずはお気軽にご相談ください。








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