外国人ドライバーの就労ビザを完全解説|特定技能・タクシー運転手の条件までわかりやすく整理
- 2025年12月3日
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目次:
外国人ドライバーを採用したいと思っても、「どのビザなら運転が認められるのか」「タクシー業務は特定技能でできるのか」と迷う方は少なくありません。実際、在留資格ごとに働ける範囲は大きく異なり、正しい理解が欠けると不法就労のリスクも生まれます。
この記事では、就労ビザの基礎、特定技能制度、タクシー運転手に必要な資格、企業側の受け入れ条件まで整理して解説します。
1.【外国人ドライバー】就労ビザの基礎知識をわかりやすく整理

外国人ドライバーを採用するには、まず在留資格ごとに「できる仕事」と「できない仕事」が明確に分かれている点を理解する必要があります。適切なビザを選ぶことが、安全な雇用につながります。
外国人が日本で働ける主な就労ビザの種類
外国人が日本で働く場合、在留資格ごとに認められる仕事内容が細かく決められています。代表的なのは「技術・人文知識・国際業務」で、専門的な知識を要するオフィスワークや国際業務に該当します。

もう一つは「特定技能」で、一定の技能試験に合格した人材が現場で働くことを目的にした制度です。さらに、日本人の配偶者や永住者など、就労制限がない在留資格も存在します。こうした身分系の在留資格であれば、ドライバー業務にも幅広く従事できます。
どのビザで何が可能なのかを把握することが、採用の失敗を防ぐ第一歩です。
外国人タクシードライバーに必要なビザの基本

外国人がタクシードライバーとして働くためには、特定のビザが必要になります。最も利用されているのは「特定活動46号」で、日本語能力と一定の学歴条件を満たす外国人に限ってタクシー業務を認める制度です。
日本語での接客が求められるため、高い言語能力が前提となります。一方、永住者や日本人の配偶者など「就労制限がない」資格を持つ外国人であれば、追加の手続きなくタクシードライバーとして働けます。
どの資格に該当するかによって必要な準備が大きく変わるため、雇用前に必ず確認しておきましょう。
外国人タクシー運転手 ビザの確認ポイント

タクシー運転手として外国人を採用する際は、在留資格だけでなく実務に必要な要件もチェックする必要があります。最初に確認したいのは、ビザが「タクシー乗務」を許可しているかどうかです。
特定活動46号や永住者などであれば問題ありません。また、二種免許の取得が可能かも重要なポイントです。日本語の理解力、過去の在留状況、交通法規の理解度なども事前に確認しておくと、入社後のトラブルを防ぎやすくなります。
ビザと実務条件の両方を丁寧にチェックすることで、安心して任せられるドライバー採用につながります。
2.【外国人ドライバー】就労ビザと特定技能制度の関係

外国人ドライバーとして働くには、従来の就労ビザだけでなく特定技能制度の理解が欠かせません。特に「特定技能1号」は物流業の深刻な人手不足を背景に整備され、現場で即戦力として働ける外国人材を受け入れるための仕組みです。
外国人ドライバー特定技能はいつから始まったのか
外国人ドライバーが特定技能で働けるようになったのは、物流の人手不足が社会問題となった時期と重なります。特定技能制度自体は2019年4月にスタートしましたが、当初は自動車運転分野が対象外でした。

その後、国土交通省と関係省庁が労働力不足の深刻さを踏まえて見直しを進め、2024年度に「自動車運送業」が正式に追加され、外国人ドライバーの受け入れが可能になりました。私は多くの企業の現場を見てきましたが、当時はドライバー不足が一段と厳しくなっており、制度拡大の必要性を強く感じていました。
制度開始により、従来は採用が難しかった中型・大型トラックの運転業務でも外国人材の活躍が現実的になっています。企業の選択肢が広がっただけでなく、外国人本人にとっても新しいキャリアの道が開けた点は大きな変化です。
特定技能ドライバーで認められる仕事内容

特定技能で働く外国人ドライバーには、運転業務のすべてが認められているわけではありません。対象となるのは、フォークリフトを使用した荷役作業、荷物の積み下ろし、ルート配送、長距離輸送など、運送会社の中核となる業務です。
現場では安全運転の知識や日本の交通ルールの理解が求められるため、特定技能試験で基本的な技能と日本語力を確認しています。実務では、物流センターでの仕分け作業や簡単な事務作業を兼ねるケースもありますが、前述の通り、メインとなるのは「自動車運送業の実務」に該当する工程です。
多くの企業では教育体制を整え、未経験者でも段階的にスキルを身につけられる環境を整備しています。この仕組みが外国人ドライバーの定着にも大きく寄与しています。
特定技能ドライバー要件として求められる事項
特定技能ドライバーとして働くには、一定の基準を満たしている必要があります。中心となるのは、特定技能試験(技能評価試験)と日本語試験(N4相当以上)に合格していることです。運転に関わるため、日本の交通ルールを理解し、安全に業務を行えるだけの語学力が必須とされています。
さらに、採用企業側にも負担があり、生活支援・相談体制の整備、適切な労働時間管理、社会保険加入などの遵守が求められます。前述の通り、特定技能は「即戦力」を前提とした制度であるため、企業は採用後の教育計画も重要になります。
私が見てきた成功企業は、運転技術だけでなく生活面のサポートを丁寧に行うことで離職を防いでいました。要件は多いものの、適切に整備すれば企業にも外国人本人にも大きなメリットが生まれる制度です。
3.【外国人ドライバー】就労ビザで認められる職種の範囲

外国人ドライバーに関する就労ビザでは、自動車運送業・物流作業・旅客輸送など、専門性が明確な業務のみが対象になります。安全性を確保できる技能と語学力が前提となり、職種ごとに細かな要件が定められています。
外国人タクシー運転手:特定技能の対象業務
特定技能でタクシー運転手として働ける範囲は、旅客を安全に目的地まで送る運転業務が中心です。道案内や料金精算、日本の交通ルールに沿った運転技術が求められます。
特定技能は「即戦力」を前提とする制度なので、乗務に必要な日本語力や接客対応も一定基準をクリアしていることが重要です。タクシー会社では運行前点検、洗車、乗務記録の入力などを日常的に行いますが、これらの付帯業務も特定技能の範囲に含まれています。
現場では、外国人材が日本の地理や道順に慣れるまで丁寧にサポートする企業が多く、教育体制が整った会社ほど定着率が高い印象です。こうした環境は、外国人タクシードライバーが安心して働ける基盤づくりにもつながっています。
外国人タクシードライバーが従事できる職務
外国人がタクシードライバーとして就労する場合、乗客の送迎業務が主な職務です。乗務中は安全運転はもちろん、乗客への声かけ、車内の案内、荷物の積み下ろしなど、対面接客が多くなります。
運転以外にも、乗務前点検や車内外の清掃、営業所への報告業務などが日常業務として含まれます。前述の通り、日本語でのコミュニケーションが欠かせないため、各会社は研修を通して日本語力や接客対応を段階的に習得できる環境を整えています。
実際の現場では、外国人材が地理を覚えるために先輩と同乗したり、翻訳ツールを併用しながら接客フレーズを学んだりするケースもあります。こうしたサポートにより、運転と接客の両面でスムーズに職務をこなせるようになります。
運送と旅客で異なる外国人就労ルール
外国人ドライバーのルールは「運送(物流)」と「旅客輸送」で大きく異なります。運送分野は特定技能1号で受け入れが可能となり、荷物の配送やフォークリフト作業などが対象業務に含まれています。

一方で旅客輸送は安全責任が重く、長年ビザ受け入れが制限されてきました。タクシーやバスは、人命を預かる業務であるため、語学力・運転技術・接客対応などの基準が厳しく、就労可能な在留資格も限定的です。最近は労働力不足による制度緩和が進みつつありますが、それでも旅客分野は運送と比べて要件が細かく、会社側にも高い責任が求められます。
こうした違いを理解することで、採用企業も外国人本人も、どの制度が最も適しているか判断しやすくなります。
4.【外国人ドライバー】就労ビザで雇用する企業側の条件

外国人ドライバーを雇用する企業は、労働環境の整備や社会保険加入、適切な支援体制など、国が定める基準を満たす必要があります。採用前に自社の体制を見直すことが大切です。
外国人ドライバーを受け入れるための企業要件
外国人ドライバーを採用する企業には、法令遵守と安全管理の体制が求められます。雇用契約の内容が適切であること、社会保険への加入が義務づけられていること、そして労働時間や休憩時間が法律に沿って管理されていることが前提です。
特定技能ドライバーを採用する場合は、支援計画の作成や生活面のサポートも含め、企業側が担う役割が多くなります。前述の通り、安全運転が欠かせない業界のため、日本語での教育や運転ルールの研修体制が整っているかどうかも重要です。
スムーズに受け入れるためには、採用前の準備段階で社内マニュアルを整え、外国人材が働きやすい環境を作る意識が必要になります。
在留資格を確認する際の重要チェックポイント
外国人を雇用する際は、必ず在留カードの内容を細かく確認することが欠かせません。在留資格の種類、在留期間、資格外活動の可否など、確認すべき項目は多くあります。

特に「就労可能かどうか」は誤解が起きやすい部分で、資格内容と実際の職務が一致していないと不法就労につながります。更新期限が近い場合は、本人だけに任せず企業もスケジュールを共有しておくと安全です。
確認作業は採用時だけでなく、定期的に見直すことでリスクを軽減できます。こうした細かなチェックが、企業の信頼性を守るために役立ちます。
不法就労を防ぐための適切な手続き
不法就労を防ぐためには、採用段階から正しい手続きを踏むことが必要です。在留カードをコピーして保存するだけでなく、入管庁が提供するオンラインシステムで在留資格を確認する方法も効果的です。
雇用後は、在留期間の更新期限を管理し、期限切れの状態で従事させない仕組みを整えておくことが欠かせません。外国人本人が手続きに慣れていないケースも多いため、企業側がサポートするとトラブルを防ぎやすくなります。適切な管理を続けることで、不法就労のリスクを最小限に抑え、安全に雇用を継続できます。
5.【外国人ドライバー】就労ビザ取得後の支援体制

外国人ドライバーが安心して働くには、生活支援・教育・相談体制が欠かせません。企業が適切なサポートを整えることで、離職防止にもつながります。
外国人ドライバー支援機構の役割と活用方法
外国人ドライバー支援機構は、特定技能で働く人材がスムーズに業務へ適応できるよう、運転ルールの理解や生活相談のサポートを担う組織です。
交通法規の教材提供、日本語学習の支援、企業向けの受入れ相談など、実務に直結する支援を行っています。企業は、研修プログラムの活用や相談窓口として利用することで、自社だけではカバーしきれない支援を確保できます。
こうした外部機関を活用すると、教育の質を高められ、受け入れ側の負担も軽減されます。初めて外国人材を採用する企業にとって、心強いパートナーとして機能します。
企業が整備すべき教育・研修体制
外国人ドライバーを迎える企業は、業務だけでなく生活面も含めた教育体制を整えることが必要です。特に交通ルールや安全運転の基礎、日本語での指示理解は必須であり、入社初期に重点的な研修を行うことで事故リスクを下げられます。
前述の通り、特定技能の場合は生活オリエンテーションも求められるため、住まい・地域ルール・緊急時の対応なども説明しておくと安心です。
また、定期的な面談やフォローアップを行うと、悩みを早めに把握でき、離職防止にもつながります。教育体制が整った企業は、外国人材からの信頼も高まり、長く働きたいと思える職場を実現できます。
よくある質問:外国人ドライバー採用の疑問
外国人ドライバー採用では、「タクシー運転手として働くにはどのビザが必要か」「特定技能で運転業務は可能か」といった質問がよくあります。基本的にタクシー運転手は特定技能の対象外であり、旅客運送には別の資格や制度が必要です。
荷物配送などの運送分野であれば特定技能で従事できます。また、「日本語レベルはどれくらい必要か」という疑問も多く、業務内容によって求められる水準が異なります。安全に関わる場面では、指示の理解が欠かせないため、企業は採用前のコミュニケーションチェックを丁寧に行うことが大切です。
こうした疑問に一つずつ答えながら採用を進めることで、ミスマッチを防ぎ、安心して働ける環境づくりが進みます。
6.まとめ

外国人ドライバーを採用する際に押さえておきたいのは、「どの在留資格で何の業務が認められているのか」を正しく理解することです。特定技能の対象が物流分野に広がったことで、トラック輸送や荷役作業で活躍できる外国人材は増えました。
一方で、タクシーやバスなど旅客を扱う職種は要件が厳しく、就労できるビザも限られています。前述の通り、業務内容と在留資格が一致していなければ不法就労につながる可能性があるため、雇用前の確認が欠かせません。企業側には労働環境の整備や生活支援など、受け入れに伴う責任も求められます。
教育体制が整っている企業ほど外国人材の定着率が高く、長期的な戦力として成長しやすい傾向があります。外国人ドライバーの採用は、制度理解・安全管理・支援体制という三つの柱が揃うことで、企業にとっても外国人本人にとっても大きな価値を生み出す取り組みになります。

