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中継輸送と特定技能ドライバー|改正物流効率化法で変わる運行と受入れ

5 分前
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中継輸送と特定技能ドライバー|改正物流効率化法で変わる運行と受入れ

「長距離便を担えるドライバーが足りない。特定技能の外国人ドライバーに任せられないだろうか」。受入れを考える運送会社から、こうした声を聞くことがあります。ただ、慣れない土地での泊まりの運行を、来日まもない人にいきなり任せるのは不安が残ります。


そこで注目したいのが「中継輸送」です。2026年11月1日に、中継輸送を後押しする改正物流効率化法が施行されました。特定技能ドライバーの要件や支援の仕組みと合わせて、中継便に入ってもらうまでの進め方を整理します。


📋 目次


1.中継輸送とは|特定技能ドライバーの受入れとどう関わるか


中継輸送は、泊まりを伴う長距離運行を複数のドライバーで分け、それぞれが日帰りで勤務できるようにする取り組みです。特定技能ドライバーにとっては、毎日営業所に戻れる働き方になります。受入れ企業にとっても、点呼や支援を続けやすい運行の形です。


国土交通省の手引きは、中継輸送を「一つの行程を複数人で分担する働き方」と説明しています。(出典:国土交通省「中継輸送の実施に当たって(実施の手引き)」2017年)たとえば東京・大阪間の便なら、中間地点の拠点でドライバーが交代し、それぞれ自分の営業所へ戻ります。


特定技能1号の外国人ドライバーを受け入れる会社には、仕事と生活の両面で支援を行う義務があります。泊まりの多い運行では、本人と顔を合わせる機会が減り、困りごとに気づくのが遅れがちです。日帰りの中継便なら、出庫と帰庫のたびに点呼で様子を確かめられます。


受入れの全体像は、特定技能ドライバーはいつから運転できる?でも解説しています。


2.改正物流効率化法のポイント(2026年11月施行)


改正法で、中継輸送の拠点や事業について国の認定制度ができました。認定を受けると、関係する許可手続の特例や資金面の支援の対象になります。荷主や倉庫業者にも協力の努力義務が置かれ、中継輸送に取り組みやすい環境が整いつつあります。


2026年5月20日に「物資の流通の効率化に関する法律の一部を改正する法律」(令和8年法律第21号)が公布されました。10月16日に施行日を定める政令が閣議決定され、11月1日に施行されました。(出典:国土交通省 報道発表 2026年10月16日)


改正の主な内容は次のとおりです(2026年11月時点、出典:国土交通省「法律要綱」)。


項目

内容

中継輸送施設の定義

高速道路などの近くに立地し、貨物の一時保管や積替えができる施設。入浴設備付きの待機所など、疲労回復の施設を併設する

中継輸送事業の定義

複数の運送事業者が、運転者1人の1回の走行距離を短くして過労運転を防ぎつつ、施設で運転者の交代や貨物の受渡しを行う事業

事業者の責務

トラック事業者は相互に連携して中継輸送に取り組むよう努める。荷主・倉庫業者は業務に支障のない範囲で協力するよう努める

計画の認定

事業者が実施計画を作り、国土交通大臣の認定を受けられる。計画は国が定める基本方針に照らして審査される

認定の効果

貨物自動車運送事業法などの許可等を受けたものとみなす特例、鉄道・運輸機構による出資・貸付けなど


法律案の段階の国土交通省の概要資料では、施設にかかる税の特例や、計画策定・初年度の運行経費への支援(予算措置)も示されていました。具体的な支援の中身や募集の時期は、国土交通省の発表で確認できます。物流効率化法全体の流れは2026年物流効率化法とは?でも解説しています。


拠点に並んで停まる白い大型トラック

3.特定技能ドライバーが中継便に入る前に確認すること


特定技能のトラックドライバーは、試験・日本語・日本の運転免許の3つがそろって乗務できます。中継便に入ってもらう前に、本人の免許の種類と、自社が受入れ企業の要件を満たしているかを確かめます。報酬は日本人と同等額以上が要件なので、中継便の手当も同じ考え方で決めます。


自動車運送業分野の運用要領は、2026年10月9日にも一部改正されています。トラック運送業に関する主な内容は次のとおりです(出典:出入国在留管理庁・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(自動車運送業分野)」2026年10月一部改正)。


項目

内容

主な業務

運行業務(安全な貨物の輸送など)と荷役業務(荷崩れを起こさない積付けなど)。清掃などの関連業務は付随的に行う範囲にとどめる

技能の条件

自動車運送業分野特定技能1号評価試験(トラック)に合格し、日本の第一種運転免許を取得していること

日本語の条件

日本語教育の参照枠A2.2相当以上。国際交流基金日本語基礎テスト(A2.2相当以上)または日本語能力試験N4以上の合格で確認する

受入れ企業の条件

運転者職場環境良好度認証制度の認証、または安全性優良事業所(いわゆるGマーク)の認定を受けた事業所があること。国土交通省の協議会の構成員であること

免許取得までの期間

免許取得の準備のための在留資格(特定活動)は、トラックの場合6か月が上限


報酬については、外国人の報酬額が日本人と同等額以上であることが求められています(出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」)。中継便に長距離手当や拠点での待機の扱いを設ける場合も、日本人ドライバーと同じ基準で決めます。


もう一つ確認したいのが免許の種類です。中継便で使う車両によっては、中型・大型免許やけん引免許が必要になります。本人がどの免許を持っているかで、任せられる方式や区間が変わります。


4.3つの方式と特定技能ドライバーとの相性


中継輸送には、ドライバーが交代する方式、トレーラーのヘッドを付け替える方式、荷物を積み替える方式の3つがあります。特定技能ドライバーに任せる場合は、必要な免許と、引継ぎで使う日本語の量が判断の目安になります。最初は手順が決まっていて、やりとりの少ない方式から始めると安心です。


国土交通省の手引きでは、次の3方式が紹介されています(出典:国土交通省 実施の手引き 2017年)。右の列は、特定技能ドライバーに任せる場合の考え方です。


方式

進め方と主な注意点

特定技能ドライバーに任せる場合

ドライバー交替方式

拠点でドライバーが交代し、相手の車両を運転して戻る。車両の操作説明や点検、帳票やキーの受け渡しが必要

引継ぎの会話が多く、他社の車両に乗る。雇用契約や業務内容との関係を事前に確認したうえで、慣れてから検討する

トレーラー・トラクター方式

拠点でトラクター(ヘッド)を付け替える。けん引免許を持つドライバー同士で行う

けん引免許の取得が前提。キャリアの次の段階として目標にしやすい

貨物積替え方式

拠点で荷物を別のトラックに積み替える。積替えの時間や荷役の人手・設備が必要

自社の車両に乗り続けられる。積付けは特定技能の荷役業務にあたり、日頃の仕事の延長で取り組みやすい


手引きによると、事業者からの要望が最も多かったのはドライバー交替方式でした。ただし、他社の車両を運転する形は、運行管理や保険の扱いも含めて相手会社と取り決める必要があります。特定技能ドライバーに任せる場合は、登録支援機関や地方運輸局にも事前に相談しておくと安心です。


5.改善基準告示と支援計画|日帰り運行が受入れに合う理由


特定技能ドライバーにも、日本人と同じ改善基準告示が適用されます。日帰りの中継便は、拘束時間と休息期間のルールを守りやすい運行です。毎日の点呼と定期面談を組み合わせれば、支援計画にもとづく見守りも続けやすくなります。


トラック運転者の改善基準告示(労働時間のルール)では、1日の拘束時間は原則13時間以内、最大15時間とされています。勤務と勤務の間の休息期間は、継続11時間以上を基本とし、9時間を下回らないこととされています(出典:厚生労働省「自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」2026年11月時点)。


長距離運行には、宿泊を伴う場合の特例があります。1週間の運行がすべて450km以上で、休息を住所地以外でとる場合などに、週2回まで拘束時間を16時間にできるというものです。中継輸送で日帰りの運行に組み直せば、こうした特例に頼る場面を減らせます。


支援計画の面でも、日帰り運行には利点があります。運用要領では、本人と、直接の上司など監督する立場の人の双方と、3か月に1回以上面談することとされています(出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」)。毎日営業所に戻る運行なら、面談の日程も組みやすくなります。


改善基準告示の全体像はトラックドライバー労働時間の全ルールで詳しく整理しています。



6.特定技能ドライバーを中継便に入れるまでの進め方


来日後すぐに中継便を任せるのではなく、自社の定期便で経験を積んでから段階的に広げます。引継ぎの手順を目で見て分かる形にし、相手会社とのルールも先に決めておきます。本人の目標とつなげると、中継便への挑戦が成長の機会になります。


ステップ1:自社の定期便で経験を積む


配属直後は、ルートが決まった自社の定期便から始めます。車両の扱い、点呼の流れ、荷主先でのやりとりに慣れてもらう期間です。先輩ドライバーの同乗研修を経て、一人で任せられる区間を少しずつ広げます。


ステップ2:引継ぎの手順を見える形にする


中継拠点では、短い時間で車両の状態や荷物の注意点を受け渡します。受渡書にチェック欄を設け、写真付きの手順書を用意すると、口頭だけに頼らずに済みます。日本人ドライバーにとっても分かりやすい書式になります。


ステップ3:相手会社とルールを決める


手引きでは、異なる事業者間のドライバー交替方式について、協定書の締結と車両への表示板の掲示が必要だとしています。運行管理は、乗務するドライバーの所属営業所が行うとされています。遅延や事故が起きたときの連絡の順番も、事前に決めておきます。


ステップ4:キャリアの目標とつなげる


国土交通省は関係業界と協働して、特定技能1号のキャリアステップを示す「キャリア形成プログラム」を策定しています。講習の受講や資格の取得、日本語能力などが基本事項です(出典:自動車運送業分野 運用要領)。けん引免許を取ってトレーラー方式の中継便を担う、といった目標を本人と共有する方法もあります。


特ドラWORKSの場合:インドネシア・ソロ(スラカルタ)の自社研修施設「GLORY CAMP」で、来日前に約300時間の日本語学習と研修を行っています。引継ぎや点呼で使う日本語を職場で覚えていく土台を、来日前から作ることを大切にしています。


特ドラWORKSの場合:採用前に、インドネシアの現地で同乗走行面接を行っています。教習所のような閉じたコースではなく、ソロの市街地を一般車と一緒に走ってもらい、運転のセンスや特性を見ています。ドライバーは一人で公道を走る仕事なので、採用の段階で運転を確かめることが大切だと考えています。


7.特定技能ドライバーと中継輸送の準備チェック


次の8項目で、特定技能ドライバーに中継便を任せる準備ができているかを確認できます。当てはまらない項目は、中継便に入ってもらう前に手を打ちます。制度の要件と現場の段取りの両方を見ることがポイントです。


  • ✓ 受入れ企業の要件を満たしている(職場環境の認証またはGマーク、協議会への加入)

  • ✓ 本人の免許の種類を確認した(中型・大型・けん引のどれを持っているか)

  • ✓ 中継便の手当を日本人と同じ基準で決めた(報酬は日本人と同等額以上が要件)

  • ✓ 自社の定期便で経験を積む期間を決めた(同乗研修から一人乗務までの流れ)

  • ✓ 引継ぎの書式がある(受渡書・点検表・写真付き手順書)

  • ✓ 相手会社と協定を結べる見込みがある(運行管理・保険・遅延時の扱い)

  • ✓ 登録支援機関などに事前に相談した(他社車両を運転する方式を検討する場合)

  • ✓ 本人とキャリアの目標を共有している(免許取得や担当区間の拡大など)


6項目以上に当てはまれば、試験的な中継便を計画できる段階です。4項目以下の場合は、受入れ企業の要件と、自社便での育成の流れから整えるのがおすすめです。


8.よくある質問


特定技能ドライバーと中継輸送について、よくある疑問をまとめました。制度は施行されたばかりなので、細かな運用は国土交通省と出入国在留管理庁の最新情報で確認してください。


質問

回答

特定技能ドライバーも中継便に乗れますか?

トラックの特定技能の業務は運行業務と荷役業務で、中継便の運行もその範囲です。まずは自社の定期便で経験を積んでから任せると安心です。

認定を受けないと中継輸送はできませんか?

いいえ。認定は事業者が受けることができる任意の制度です。認定を受けると、許可手続の特例や資金面の支援の対象になります。

他社の車両を運転するドライバー交替方式にも入れますか?

手引きは協定書の締結などを前提に、異なる事業者間でも実施できるとしています。特定技能ドライバーの場合は、雇用契約や業務内容との関係を登録支援機関などに事前に確認してください。

中継便の手当は日本人と変えてもよいですか?

特定技能では、報酬が日本人と同等額以上であることが求められます。同じ仕事には同じ基準で手当を決めます。

けん引免許がないとトレーラー方式はできませんか?

手引きでは、トレーラー・トラクター方式はけん引免許を持つドライバー同士で行うとされています。

拠点での待ち時間は拘束時間に入りますか?

拘束時間は始業から終業までの時間なので、待機も含まれます。待ちが出にくい時刻設定が重要です。


9.まとめ


中継輸送は、長距離便を日帰りに変え、特定技能ドライバーにも任せやすい運行をつくる取り組みです。2026年11月施行の改正法で、国の後押しもはっきりしました。制度の要件を確かめ、自社便での育成から段階的に進めましょう。


  • 中継輸送は、泊まりの長距離運行を複数のドライバーで分けて日帰りにする取り組み

  • 改正物流効率化法が2026年11月1日に施行され、計画の認定制度ができた

  • 特定技能ドライバーは、試験・日本語・日本の運転免許がそろって乗務できる

  • 中継便の手当も、日本人と同等額以上という報酬の要件にそって決める

  • 方式は免許の種類と引継ぎの日本語の量で選び、積替え方式などから始める

  • 日帰り運行は、点呼や定期面談による支援を続けやすい


長距離便の担い手として特定技能ドライバーの採用を考えている方は、お気軽にご相談ください。受入れの流れや費用感は、資料でもご確認いただけます。





 
 
 

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